Free陸奥湾ホタテ、親貝確保へ支援を 宮下知事ら農相に要望

坂本哲志農林水産相(右)にホタテガイ養殖に関する支援を要望する宮下宗一郎知事=25日、農林水産省
坂本哲志農林水産相(右)にホタテガイ養殖に関する支援を要望する宮下宗一郎知事=25日、農林水産省

昨夏の高温被害を受けた陸奥湾ホタテガイに関し、青森県の宮下宗一郎知事や陸奥湾沿岸自治体の首長らが25日、農林水産省に坂本哲志農相を訪ね、親貝確保を目的とした漁業者団体による基金造成への支援などを求めた。坂本農相は各種要望について前向きに回答し、漁業者らへの支援に注力する方針を示した。

 要望は▽基金造成に対する支援と漁業共済金の早期支払い▽高水温でも安定生産が可能な養殖技術の開発に向けた試験研究の推進▽持続可能な養殖業にするために必要な総合戦略の策定に対する技術的助言―の3項目。県と県議会、沿岸7市町村の連名で提出した。

 宮下知事や西秀記青森市長、野村秀雄野辺地町長らから要望書を受けた坂本農相は「異常気象の問題は今後も起きる可能性がある。研究機関も交え、全力で取り組みたい」と強調した。

 非公開の懇談後、取材に応じた宮下知事によると、坂本農相は共済金については9割が補填(ほてん)可能でセーフティーネットを準備済みだと説明し、基金についても理解を示したという。

 県は、昨夏の高温によるホタテの被害額が41億円余りに上ると試算している。

 宮下知事は同日の取材に、漁業者の金融支援「災害経営資金融通助成条例」を31日に発動する方針を明らかにした。県の特別保証融資制度を拡充し、経営安定に必要な資金確保を支援する考えで「この事態はまさに災害。いち早く復旧し、持続可能な形で陸奥湾で漁が営める環境になるよう取り組んでいく」と述べた。

 要望には、津島淳衆院議員と滝沢求参院議員も同席した。

 
お気に入り登録