Free書類多すぎ大変 「書かない窓口」導入へ職員が体験調査 八戸市

市職員が手続き業務の課題を探った窓口体験調査=17日、八戸市庁
市職員が手続き業務の課題を探った窓口体験調査=17日、八戸市庁

行政手続きの簡素化につなげようと、八戸市は17日、職員による窓口利用体験調査を市庁で実施した。転入や家族の死亡を想定して各課を回った職員は「同じような書類を何度も書いて疲れた」「移動でへとへと」などと来庁者の負担を実感。改善のためのアイデアを出し合った。

 体験調査は、市デジタル推進計画(2023~25年度)に基づく「書かないワンストップ窓口」の導入に向け、初めて実施。若手職員を中心に12人が「転入チーム」と「おくやみチーム」に分かれ、来庁者が実際に行う手続きを体験した。

 父親を亡くした市外の息子夫婦の想定で手続きした班は、戸籍謄本の取得や介護保険の手続きなどで八つの窓口を回り、所要時間は2時間50分と想定を30分オーバーした。

 その後、窓口担当の職員も加えてワークショップを実施。「本館と別館を行ったり来たりして大変」「書類が多すぎて説明が頭に入らない」「隣の席の声が聞こえ、プライバシーへの配慮に欠ける」などと、課題が次々と挙がった。

 講師を務めたデジタル庁窓口BPRアドバイザーの横田雅代さんは、「日々の業務に慣れると認知バイアスで改善のポイントを見失いがち。固定観念にとらわれず業務の整理をすることが大事」とアドバイス。職員から「書類記入は一度で済ませたい」「オンラインで来庁せず手続きできれば職員も市民も負担が減る」などの改善策が出た。

 体験調査の結果は来月、熊谷雄一市長が出席する報告会で発表し、窓口業務改善に向けた検討に生かす。

 
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