Free【新型コロナ】「第9波とは判断できない」 緩やかな増加傾向 青森県内6月

青森県内の感染状況や医療提供体制について意見交換した専門家会議=10日、県庁
青森県内の感染状況や医療提供体制について意見交換した専門家会議=10日、県庁

青森県によると、新型コロナウイルスの6月の感染者数は、県内で1定点医療機関当たり3~4人で推移し、緩やかな増加傾向となった。県感染症対策コーディネーターの大西基喜医師は「第9波の入り口とはまだ判断できない」と分析。一方、全国的に感染者数が増えている状況を挙げ、「新たな波が起こる可能性はある」との見方を示した。

 6月の感染状況は10日、まとめた。県内60医療機関から報告された1定点当たりの感染者数は、5月の2~3人をやや上回った。入院者数は7月9日時点で86人で、医療を逼迫(ひっぱく)する状況にはないとした。

 大西医師はオミクロン株の新系統「XBB」による感染拡大の可能性を指摘。「XBBへの集団免疫が弱く、流行はあり得る。これまでのように、社会活動を止めるのではなく、個人の予防が重要」とし、ワクチン接種や場面に応じた対策を呼びかけた。

 県は同日、県庁で新型コロナの専門家会議を開き、県内の感染状況や医療提供体制などを報告した。

 県は、県内でいまだに発熱患者の診療を避ける医療機関が多いことから、感染症対策について実地で技術的な助言を行う「県感染対策コンサルテーションチーム」の取り組みを紹介。

 宮下宗一郎知事は外来対応医療機関を増やすため、県医師会に対して改めて協力を要請したほか、季節性インフルエンザのように「警報」や「注意報」の指標を設けるなど感染状況を県民に分かりやすく伝える方法の検討を提案した。

 
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