FreeH3ロケット1号機失敗 2段目点火せず指令破壊

 地球観測衛星だいち3号を載せ、打ち上げられるH3ロケット1号機。2段目エンジンが点火せず失敗した=7日午前10時37分、鹿児島県南種子町(共同通信社ヘリから)
 地球観測衛星だいち3号を載せ、打ち上げられるH3ロケット1号機。2段目エンジンが点火せず失敗した=7日午前10時37分、鹿児島県南種子町(共同通信社ヘリから)

宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工業は7日午前、日本の新型主力機H3ロケット1号機を発射したが2段目エンジンが点火せず失敗した。ミッションを達成する見込みがないとして、指令破壊した。種子島宇宙センター(鹿児島県)から災害状況の把握に用いる地球観測衛星だいち3号を予定の軌道に投入するはずだった。2月17日の発射は機器の誤動作によるトラブルで直前に中断し、今回は再挑戦。

 H3は2001年に登場したH2Aロケットの後継機。衛星の打ち上げ能力を1・3倍に、コストは半分の約50億円にするとしている。

 主エンジンの開発がうまくいかず、1号機の発射は元々計画していた20年度から延期を繰り返してきた。1号機は2月17日、主エンジンの制御装置への電力供給が数秒間途絶えるトラブルが起き、発射は直前で中断した。

 だいち3号はデジタルカメラのような仕組みで主に昼間の地上の様子を高精度で観測する。2種類の赤外線を検出できる防衛装備庁のセンサーも搭載し、弾道ミサイルの発射探知などに活用できるかどうかも検証する計画だった。

 H3ロケットは、国際宇宙ステーションや月周回基地に物資を届ける新型無人補給機の打ち上げに用いることが計画されている。

 
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