Free【旅音日記】MUSIC(1)馬仙峡~男神岩女神岩~

二戸市を象徴する、雄大な馬仙峡の眺望(楽曲のMVより)
二戸市を象徴する、雄大な馬仙峡の眺望(楽曲のMVより)

二戸市地域おこし協力隊の猿楽さんは、市内の風景や文化を音楽で表現する「旅音プロジェクト」を進めている。音楽家の感性で捉えた二戸の印象を、曲のイメージと共に紹介する。

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 ついに二戸に来たんだな。2019年11月1日、東北に縁もゆかりもなかった僕が、初めて訪れた北東北の街。東京から車で約10時間かけてたどり着いた瞬間、感慨がこみ上げた。

 二戸地区合同庁舎へ向かって国道4号を運転中、目の前に現れた日本最大級の夫婦岩、男神岩・女神岩に一瞬で心を奪われた。街の南の玄関口で、それは荘厳な存在感を放っていた。

 この土地ならば、長年の希望だった「音楽で街を描く」というプロジェクトが実現できるかもしれない。僕の胸は期待で高鳴った。

 20年9月、二戸に移住し、プロジェクトをスタートさせた。最初に着手したのは、馬仙峡をテーマにした曲作りだった。国道4号や馬淵川河畔から景色を見上げ、男神岩の展望台から全景を見下ろし、この場所の持つ空気感とエネルギーを体全体で感じ取る。

 はるか昔からそびえ立つ夫婦岩は、この土地のどんな営みを見てきたのだろう。時代を超え、今もなお街を見守り続ける姿から伝わってきたのは、「この場所で生きる」ということ。

 神楽など伝統文化も盛んな二戸には、昔ながらの教えと風習が色濃く残る。ここで生まれたのは、祈りと躍動を重ね合わせたような楽曲。尺八や太鼓、ピアノの音と、地元の人の歌声に、弦楽器の音色が絶妙に絡み合う。

 いよいよ、この場所から物語が始まる。音楽と旅をしよう。

 ※タイトル曲のミュージックビデオ(MV)は猿楽さんのサイト「にのへの旅音」で視聴できる。

 【略歴】猿楽=さるがく。本名・島田勝典(しまだ・かつのり)。44歳。岡山市出身。フリーランスの音楽家、ピアニストとして国内外での演奏活動や作編曲、音楽プロデュースなどを手掛ける。2020年9月、二戸市地域おこし協力隊に着任。

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