Free一戸町が御所野遺跡ガイドアプリ作成 CGで当時の建物や暮らし再現

ガイドアプリを使って遺跡内を歩く関係者
ガイドアプリを使って遺跡内を歩く関係者

一戸町は世界遺産登録を目指す御所野遺跡の魅力を視覚的に伝えようと、コンピューターグラフィックス(CG)や小型無人機ドローンで撮影した映像などを交えて案内する「御所野遺跡ガイドアプリ」を開発した。アプリストアからスマートフォンなどに、無料でダウンロードできる。御所野縄文博物館では29日から、ガイドアプリを利用できるタブレットを無料で貸し出す。

 同遺跡は縄文時代中期後半(約5千~4200年前)の大規模な集落跡。多くの調査、実験を基に建物を復元している。景観に配慮し、案内看板を設けずに整備を進めてきたが、世界遺産に登録されれば来場者の増加が見込まれるため、分かりやすいガイド機能を持ったアプリを制作した。

 アプリを起動して遺跡内を歩き、竪穴建物跡や配石遺構などの見どころを訪れると、これまでの調査・研究の成果や縄文人の暮らしぶりを紹介した映像を見たり、音声で解説を聞いたりすることができる。

 遺跡では焼けた竪穴建物跡が多く発見され、人が死んだ時に生活用具と一緒に燃やしたとも考えられている。アプリでは、土屋根型の住居が燃え落ちる様子を、CGでリアルに表現した映像もある。このほか、同博物館や自宅で楽しめるコンテンツも用意している。

 15日は報道機関向けに体験会が行われ、田中達也町長ら町関係者と一緒にタブレットを持って遺跡内を巡り、アプリによるガイドの面白さを体感した。

 開発に関わった町教委世界遺産登録推進室の久保田太一室長補佐は、「縄文世界の本質を可視化し、国内外の幅広い世代に発信するツールにしたい」と話していた。ガイドアプリに関する問い合わせは同推進室=電話0195(32)2652=へ。

 
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