Free宮下氏、大差で初当選 44歳、県政史上最年少/青森県知事選

初当選を決め、万歳する宮下宗一郎氏(中央)と妻の悠美氏(右)=4日午後8時10分ごろ、青森市
初当選を決め、万歳する宮下宗一郎氏(中央)と妻の悠美氏(右)=4日午後8時10分ごろ、青森市

任期満了に伴う青森県知事選は4日、投票が行われ、即日開票の結果、無所属新人で前むつ市長の宮下宗一郎氏(44)が40万4358票を獲得、他に立候補した無所属3氏に大差を付けて初当選した。44歳での知事就任は県政史上最年少で、全国でも3番目に若い。投票率は57・05%で、2019年の前回を16・97ポイント上回り、有権者の関心の高さを反映した。宮下氏の任期は29日から4年間。

 県政史上最長の5期を務める現職三村申吾氏(67)が今期での勇退を表明し、20年ぶりに県政の新リーダーが決まる転換点となった。宮下氏と前青森市長の小野寺晃彦氏(47)による市長経験者の対決が争いの軸となる中、自民や公明、立憲民主の各党は自主投票を決定。県議や市町村議に加え、首長も支持が二分し、県政界全体を巻き込んだ保守分裂の激戦となった。

 宮下氏は立候補した4氏の中で最も早く出馬を表明。3月上旬に市長を辞職後、全県で対話型集会を重ね、支持拡大に努めた。新時代のリーダーを繰り返し強調することで、長期化した現県政の転換を求める、潜在的な民意の結集軸となった。

 自民の一部や立民、無所属など超党派の議員が支援に加わったが、選挙戦では徹底して草の根をアピール。組織戦ではなく県民が主体の「県民運動的」なうねりを生み出し、無党派層も強く引き付けた。

 小野寺氏は宮下氏の表明直後に名乗りを上げ、4月下旬に市長を辞職。年間400社以上の起業・創業など数値目標を盛り込んだ公約の具体性を訴え、自民の一部国会議員や県連幹部を中心とする大半の県議から支持を得た。

 しかし、市長辞職が宮下氏の約2カ月後と出遅れた上、自主投票の制約で自民の組織としての活動は広がりを欠いた。告示後からは三村氏も応援に入っててこ入れを図ったが、流れを変えるには至らなかった。

 共産、社民両党の推薦を受けた元むつ市議の横垣成年氏(63)は、告示間近の5月上旬に立候補する意向を明らかにした。スタンスが自民に近い前市長2人の戦いが焦点となる中、非自民の受け皿を強調。国への批判を強め、原子力政策の転換などを呼びかけたが及ばなかった。

 元損害保険会社員の楠田謙信氏(66)は、農林水産振興を前面に出したが浸透しなかった。

 ◇青森県知事選開票結果
当404,358宮下宗一郎 無新
 174,155小野寺晃彦 無新
  10,516横垣 成年 無新
   4,769楠田 謙信 無新
 ▽有権者数1,044,657人
 ▽投票率57.05%
(選管最終)

 
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