Free回収プラごみ、再商品化へ 八戸市の実証事業スタート

シュレッダーで裁断されたプラスチックごみ。この後熱分解され、粉体カーボンとなる=26日、八戸市
シュレッダーで裁断されたプラスチックごみ。この後熱分解され、粉体カーボンとなる=26日、八戸市

プラスチックごみ(プラごみ)のリサイクルや将来的な分別回収を目指す八戸市の実証事業で、東京鉄鋼八戸工場は26日、回収したプラごみの再商品化に着手した。同工場の炭化炉施設で熱分解し、棒状の鋼材「棒鋼」などの原料となる「粉体カーボン」を製造する。

 分別回収は10月17日から、小中野と江陽の両公民館で実施。一辺50センチ以内で100%プラスチック製の物が対象で、1カ月間で約630キロが集まった。

 26日は市職員や報道陣に、プラごみをシュレッダーで裁断した後、破砕機に投入し、さらに細かく粉砕する場面を公開した。

 この後、鉄分などを取り除き、約4時間かけて熱分解した。粉体カーボンができるまでに要する時間は計約10時間。

 同工場では2005年から、廃自動車の破砕後に残るプラなどを熱分解し、粉体カーボンへのリサイクルを行ってきた。熱分解時に発生するガスも施設内での発電に再利用している。

 自治体が回収するプラごみを扱うのは初めて。岡山陽一副工場長は「(廃自動車と違って)金属などが混ざっておらず、処理的には難しくない」と話した。

 回収事業は12月23日まで実施。その後、来年1月初旬にかけて、同工場で再度粉体カーボンを製造する。

 
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