比拠点特殊詐欺被害、60億円超

 渡辺優樹容疑者と小島智信容疑者の刑事裁判の審理を終え、報道陣の取材に応じる両容疑者の弁護人のエルジュン・リコ氏(中央)=2日、マニラ(共同)
 渡辺優樹容疑者と小島智信容疑者の刑事裁判の審理を終え、報道陣の取材に応じる両容疑者の弁護人のエルジュン・リコ氏(中央)=2日、マニラ(共同)
 記者会見する警察庁の露木康浩長官=2日午後、警察庁
 記者会見する警察庁の露木康浩長官=2日午後、警察庁
 各地で相次ぐ広域強盗を「ルフィ」などと名乗って指示した疑いがあり、フィリピンで拘束中の渡辺優樹容疑者(38)ら4人が関わったとされる特殊詐欺の被害額が60億円以上であることが2日、分かった。警察庁の露木康浩長官が記者会見で明らかにした。

 一方、4人のうち渡辺容疑者と小島智信容疑者(45)の刑事裁判の審理がマニラの裁判所で開かれたが即日棄却にはならず、7日に次回審理が行われる。日本、フィリピン両政府は来週にも4人を一斉送還する方向で調整しているが、時期は不透明な状況となった。

 フィリピンのレムリヤ法相は2日、記者団に4人のうち2人を先行して送還する可能性があると述べたが、日本側は従来通り一斉送還を求めるとみられる。

 4人の関与が疑われる特殊詐欺を巡っては、フィリピン当局が2019年11月にマニラで36人を拘束。いずれも20年2月~21年7月に日本に移送され、警視庁が逮捕した。この他の特殊詐欺グループのメンバーも含めると、摘発された容疑者は約70人となる。