22年刑法犯、20年ぶり増加

 刑法犯認知件数の推移
 刑法犯認知件数の推移
 2022年に警察が認知した刑法犯は前年比3万3285件(5・9%)増の60万1389件で、20年ぶりに増加に転じたことが2日分かった。警察庁が同日、22年の犯罪情勢(暫定値)を公表した。街頭犯罪などが増え、新型コロナウイルス対策の行動制限の緩和が影響したとみられる。アンケートで体感治安の悪化を感じるとした回答が67・1%を占め、電車や路上での無差別殺傷、安倍晋三元首相銃撃事件が理由としてうかがえる。

 殺人など6種類の重要犯罪のうち強盗は前年比10件増の1148件で、各地で相次ぐ広域強盗事件の一部が含まれる。交流サイト(SNS)上の「闇バイト」に応募したとみられる実行犯らは手荒な手口で死傷者も出しており、体感治安にさらに影響を与える可能性もある。

 認知件数は02年をピークに減少を続け、21年は戦後最少を更新していた。22年は自転車盗などの街頭犯罪が前年比14・4%増の20万1619件と目立ち、特殊詐欺の被害額は28・2%増の361億4千万円と8年ぶりに増加した。