受精卵紛失で北大病院を提訴

 北海道大病院が保存していた凍結受精卵を紛失し、精神的苦痛を受けたとして、北海道の夫婦が13日、病院を運営する北大に計1千万円の損害賠償を求める訴訟を札幌地裁に起こした。

 原告側代理人によると、倫理的にも許されない重大な医療事故で、9月に同種の訴訟が京都地裁に提訴された以外に、前例はないという。

 訴状によると、夫婦は2007年2月~同12月にかけて計6個の受精卵を北大病院で保存。08年4月に1個を使用した後の同年7月、残りを保存していた容器がなくなっていることに病院側が気付いた。

 病院側は「探している」と繰り返し説明。10年に廃棄したことを認め謝罪した。