強制不妊で聴覚障害の夫婦が提訴

 旧優生保護法(1948~96年)下で知らない間に不妊手術を強いられたのは憲法違反だとして、聴覚障害のある大阪府の70代夫婦が13日、国に計2200万円の損害賠償を求め大阪地裁に提訴した。

 訴状によると、夫婦は福井県出身で、両耳が聞こえず聴覚障害2級と認定されている。2人は74年に20代で結婚し、長男が生まれたが、妻は出産の3日後、何の説明もないまま同県の病院で不妊手術を受けさせられた。複数の子どもが欲しいと望んでいたのに手術により不可能となったと訴えている。

 今年4月、国が一時金を支給する救済法が成立したが、夫婦は国の謝罪を求めて申請せず、提訴した。