Free【北奥羽の地名】城内(洋野)/種市城あった中心部

北奥羽の地名
北奥羽の地名

洋野町の北部に位置し、中心街から西に9キロほど離れた集落で、周囲には水田などが広がる。のどかな風景が見られるこの地区だが、元々は「種市」の中心的な場所だったという。

 城内という地名から明らかだが、この地区にはかつて、殿様らが平時に住む種市城の平城が存在。城下町として栄えていた。

 北三陸地方の歴史愛好家で組織する九戸歴史民俗の会の代表は「元々は種市といえばこの地区を指す言葉だった」と語る。城跡はほぼ残っていないが、同地区の東長寺は跡地に立っているという。

 しかし、1591年の九戸戦争で、勝利した豊臣方に付いた城主の種市氏が別の地に家臣ごと移動。城自体も無くなってしまった。

 種市を指す認識が変化したのは、1924年のJR八戸線開通が要因。これまでの人の流れが一変し、沿岸の荒津内や小橋などの地区が栄えるようになった。駅名が「種市駅」だったことも作用し、次第に種市はこれらの地区を指す言葉となり、城内は地区名として定着していった。

 
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