Free心温まる善意の贈り物 軽米・小軽米小に匿名でランドセル

匿名の人物から届けられたランドセル二つに感謝し、手紙をつづった小軽米小の6年生
匿名の人物から届けられたランドセル二つに感謝し、手紙をつづった小軽米小の6年生

軽米町立小軽米小(高橋利明校長)に、「カラコシャク星人」と名乗る匿名の人物から、真新しいランドセル二つが届けられた。今春に入学予定の子ども6人は既に購入済みだったため、同校は4日、町社会福祉協議会に「必要な人を探して渡してほしい」と、心温まる善意のプレゼントを引き渡した。

 ランドセルはそれぞれ紫色と紺色で、箱に入った状態で校舎の昇降口に置かれており、2月21日朝に出勤してきた鹿糠博子副校長が見つけた。

 箱に同封された手紙には、「高価なランドセルではございませんが、どなたかにご利用頂ければ私としては嬉(うれ)しく思います」と記され、「三年目のマスクマンことカラコシャク星人より」と結ばれていた。

 カラコシャクは「おせっかい」などを意味する方言とみられる。送り主は不明だが、高橋校長は「この学区では、日頃から児童を大切に思って応援してくれる住民が多い。周辺の学校にはランドセルが届いていないので、おそらく地元の方ではないか」と推測する。

 その後、6年生の道徳の授業でも、このランドセルを話題に取り上げ、児童らは感謝の気持ちを手紙に書いて表現した。

 10年以上前、「タイガーマスク運動」と呼ばれる匿名の寄付が全国で相次いだことなどをウェブで調べた上で、「私が大人になっても思いやりのある活動をしたい」などと感じたことをつづった。近く、新聞にも投稿する予定だ。

 6年の細谷地瑠華(るか)さんは「最初は驚いたけど、新品の高いランドセルを贈ってくれたので、とてもありがたい。いつも地域の人たちが子どもに親切にしてくれるので、その一人の誰かかなと思う」と想像した。

 高橋校長は「新型コロナウイルス禍で地元との交流の機会は少なくなっているが、改めて人の心の温かみと、つながりの大切さを感じた。新型コロナが落ち着いたら再び交流を増やそうと、児童とも話している」と笑顔を浮かべた。

 
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