Free雪田会長代行を解任 県農協中央会、県南と津軽側の対立続く

青森県農協中央会は9日、青森市で開いた定例理事会で、今年7月に就任した雪田徹会長代行(青森農協組合長)を解任する動議を賛成多数で可決した。つがるにしきた農協の泉谷利幸組合長を後任とする提案は、賛否同数により否決された。22日に臨時理事会を開き、改めて会長代行選出などを検討する見通しだが、難航は必至。トップ不在の機能不全状態が当面続きそうだ。

 県中央会は、県南側5農協(八戸、十和田おいらせ、おいらせ、ゆうき青森、つがるにしきた)と、津軽側5農協(青森、つがる弘前、津軽みらい、ごしょつがる、相馬村)の組合長らの対立で、6月末の通常総会から全役員空席の状態が続いている。

 動議は、役員の空席問題を巡って雪田氏が今月1日に発表した談話に対し、県南側が反発した格好で、十和田おいらせ農協の畠山一男組合長が提出した。採決は雪田氏を除く理事執行者7人で行われ、賛成4、反対3で可決された。

 県南側は雪田氏の後任として泉谷氏を提案したが、泉谷氏を含む8人による採決の結果、賛成4、反対4の同数で否決された。会長代行が不在の場合、会長が本来行うべき決裁業務に支障を来す可能性がある。

 県南側と津軽側は、五所川原地区組合長会議で行われた県中央会の次期理事・監事候補者の選考過程を巡って対立。雪田氏は談話で、選考過程に不備があったとして地区組合長会議のやり直しを求める県南側に対し、規定に沿った選出と改めて主張した。

 また、今春の次期監事選任に際し、就任承諾書提出などの手続きを行った泉谷氏が、これを否定してきた点も非難していた。

 泉谷氏は9日の取材に、「(次期監事就任承諾書の)書類は出した」とこれまでの主張を一転させ、就任手続きを認めた。雪田氏の談話に対しては「自分が悪いという書き方で、ひどく馬鹿にしている」と不快感を示した。

 雪田氏は「解任される覚悟はあった」と冷静に受け止めつつ、組合員に対して「(組織を)まとめることができず申し訳ない」と陳謝した。

 
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