Free青森県南3農協も大幅減 21年産米概算金、農家支援を検討

八戸農協(本店八戸市)、おいらせ農協(三沢市)、十和田おいらせ農協(十和田市)は10日、それぞれ臨時理事会を開き、コメを出荷した生産者に仮払いする2021年産米の「生産者概算金」(60キロ、1等米)を決定した。3農協とも「まっしぐら」8千円、「つがるロマン」8200円とし、全農県本部が公表した20年産比3400円減の目安額と同額にした。3農協は大幅な減収となる生産者に対し、支援を検討する考えを示した。

 全農県本部の目安額は、農家が黒字を確保できるボーダーラインとされる1万円を大きく下回る。新型コロナウイルスの影響で、飲食店向けなどの業務用需要が落ち込み、在庫過剰になっていることが響いた。

 八戸農協は、全農県本部と毎年歩調を合わせている状況を踏まえ、概算金を設定。山美喜正組合長は「コロナは飲食店に限らず農家への打撃も大きい。先行きは明るくない」と危惧し、低金利の資金貸し出しなどで生産者を支援する考えを明らかにした。

 おいらせ農協の沖澤繁弥組合長は「生産者には厳しいが、(金額は)状況が状況だからやむを得ない。今ある在庫を売ってしまわないと、来年、再来年にも影響が出てしまう」と米価下落の長期化を懸念した上で、「農家が意欲をなくさないように、われわれも努力したい」とし、今後行政などに何らかの形で対策を呼び掛けられないか検討する意向を語った。

 十和田おいらせ農協の畠山一男組合長は「採算に見合わない価格まで落ちている。農協として、農家の意欲を失わせないように助成などを考えていく」とし、国や県にも支援を要請する考えを示した。

 10日は県米穀集荷協同組合(円子徳通理事長)も青森市で役員会を開き、概算金を決定。まっしぐら8千円(20年産比3400円減)、つがるロマン8300円(3600円減)に設定した。齋藤猛専務理事は「コメの在庫は全く動いていない。農家にとって厳しい状況が続くだろう」と警戒を強めた。

 ゆうき青森農協(本店東北町)は17日に理事会を開き、概算金を決める。

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