Free新人賞候補作に入賞「自信に」 短歌賞に応募、八戸出身・谷地村さん

短歌研究新人賞候補作に選ばれた谷地村昴さん
短歌研究新人賞候補作に選ばれた谷地村昴さん

八戸市出身で金沢大1年の谷地村昴さん(18)が、短歌界の新人の登竜門である第64回短歌研究新人賞の候補作に選ばれた。昨年は青森県立八戸高在学中に、最終選考に残ったものの、惜しくも受賞は逃した。2回目の応募で入賞をつかんだ谷地村さんは「去年より自分でいいなと思える作品が作れた。それを評価してもらえて自信につながった」と語った。

 同賞は未発表作品30首で公募する。今回は全国から583編の応募があり、最終選考作品24編の中から、新人賞1編、次席2編、候補作3編が選ばれた。

 今回候補作に選ばれた谷地村さんの「まっすぐ光る」は、大学受験から大学入学後の夏までについて、フィクションを織り交ぜて表現した作品。〈爪を切る音がしている女子トイレ共通テスト二日目の朝〉〈用もなく君に電話をかけたから躑躅の道でまっすぐ光る〉など、新鮮な視点で詠んだ歌をそろえた。

 選者からは、比喩を使った透明感のある描写や気分に流されすぎない場面の表現が評価された。今回の受賞を受けて谷地村さんは「うれしい一方で悔しさもある。来年は新人賞を狙いたい」と前を見据える。

 作品は、短歌総合誌『短歌研究9月号』に掲載されている。

 
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