Free会員減少や資金不足― 遺族連合会、活動継続へ腐心

遺族会の存続と記憶の継承を訴える齋藤文昭理事長=8日、青森市
遺族会の存続と記憶の継承を訴える齋藤文昭理事長=8日、青森市

戦没者の慰霊に取り組む青森県遺族連合会(齋藤文昭理事長)は、組織存続に腐心している。設立から70年が過ぎ、会員減少や資金不足という危機に直面。一時は活動休止も検討した。本年度から会の存続を目的とした寄付の募集を始めたが、思うように集まっていない。いかにして平和への願いを後世に引き継いでいくか。継承活動は正念場が続く。

 同会は、戦没者遺族の全国組織の一つとして1947年に発足し、各市町村の遺族会を中心に40団体が加盟する。戦没者の顕彰、国内各地への慰霊巡拝などを通じ、戦争の悲惨さを伝えてきた。

 ただ、2000年に1万2千人いた会員は、21年度は約4100人にまで減少した。加盟団体の負担金が原資の基金は底を突きかけ、20年度には活動休止を検討したが、会員や一般から寄付を求めて存続を図る方針に転換した。

 21年度から始めた寄付の受け付けは22年度末までの2年間で、目標金額を2千万円に設定した。

 だが、これまでに集まったのは約150万円にとどまる。新型コロナウイルスによって各地で追悼式の縮小が相次いだ影響で、寄付を呼び掛ける場も限られ、目標達成のハードルは高い。

 かつて会を支えた戦没者の配偶者の世代は少なくなり、中心となる子の世代も70代後半から80代と高齢化が進む。同会は17年、次世代へ記憶を継承するため、孫世代の青年部を設立した。活動は緒に就いたばかりでメンバーは80人程度。仕事のある現役世代だけに、行事に参加できる人は多くない。

 父の文雄さんを戦争で亡くした齋藤理事長(78)=平川市在住=は「身近な人を戦争で失う経験をした、われわれの生の声を孫の世代に語り継ぎたい」と強調。鍵を握る青年部の活動が軌道に乗るまでは、会を存続させたいと訴える。

 「伝えるのは簡単ではない。世代間で対話を重ね、一緒に活動する時間をつくりながら、良い形でバトンをつなぎたい」

 齋藤理事長の言葉には危機感と共に、切実な願いがにじむ。

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