Free【北奥羽の地名】角浜(洋野町)/門と呼ばれた名残りか

北奥羽の地名
北奥羽の地名

【角浜=かどのはま】

 洋野町の北端に位置し、青森県の階上町とも接する集落。昔ながらの住宅地で、国道45号とJR八戸線が通るなど交通の便が良く、暮らしやすい土地だ。

 地名はかつてこの一帯を指した「門(かど)」に由来するという。平安時代後期に、現在の青森県東部から岩手県北部にかけて糠部(ぬかのぶ)郡が置かれ、地域ごとに一戸から九戸に分けられた。諸説あるが、その際に九戸を中心とした東西南北それぞれに、門と呼ばれる地域が設けられた。

 このうち、東門(ひがしのかど)は現在の種市地域が含まれるという。1300年代に書き記された文献「きぬ女類族交名案」では、八戸の安藤三郎の妻きぬという女性の親族が東門種市にいると記載されている。

 同集落は門のハマ側だったため、「門浜」がそのまま地名になったとの見方が強い。時代とともに東門の名称は廃れ、地名自体も門から角へと変わってしまった。九戸歴史民俗の会は「集落などは歴史とともに変わるものだが、地名に名残を残しているものは多い」と話している。
※ネット連載

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