Free議長辞職願、3度目「不許可」 熊谷議長、当面続投へ/野辺地町議会

野辺地町議会は16日の定例会で、熊谷晴雄議長が議長職を辞任するのを認めないことを決めた。不許可としたのは3度目。熊谷氏は取材に「辞めたい気持ちは変わらない」としつつ「何度(辞職願を)出しても同じになる」と、当面は議長を続ける考えを示した。繰り返された事態に、町民からは「議会は何をやっているんだ」などとあきれる声が上がった。

 熊谷氏は、2月に一身上の都合、4月には難病に指定される特発性間質性肺炎と診断されたとして、それぞれ辞職願を提出した。

 ただ、与野党勢力が拮抗(きっこう)する町議会で野党側の熊谷氏が辞職して一般議員になれば、形勢が変化する可能性がある。議会の主導権争いを背景に辞任は2度とも許可されず、熊谷氏は3度目の辞職願を提出していた。

 今回の辞職願について、町議会は16日、熊谷氏を除く町議10人で採決を実施。その結果、許可、不許可は5対5の同数となり、与党側の杉山福行副議長の判断で「許可しない」と決めた。

 杉山副議長は「全国議長会など町外での会合への出席は厳しいとしているが、地元の会議には出ている。議会進行に差し支える健康状態と考えがたく認めることはできない」と話した。

 一方、熊谷氏は取材に「何を考えているか分からない。本来は辞めさせてほしい」と語った。

 3度不許可となった異常事態に、町民の反応は冷ややかだ。ある80代男性は「町が衰退している中、与党だ野党だと争っている。町民のために協力していくべきだ」と指摘した。

 
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