Free被災地大槌に励ましの花8年 高村さん夫妻(二戸)に感謝状

平野公三町長(中央)から感謝状を受け取った高村英世さん(左)と妻民子さん(右)=写真上=と、高村夫妻が贈ったビオラなどが植えられた大槌町の花壇(同町提供)
平野公三町長(中央)から感謝状を受け取った高村英世さん(左)と妻民子さん(右)=写真上=と、高村夫妻が贈ったビオラなどが植えられた大槌町の花壇(同町提供)

東日本大震災の津波で大きな被害を受けた岩手県大槌町の復興を願い、2014年からパンジーなど花の苗を毎年贈り続けている二戸市の農業高村英世さん(80)、妻民子さん(77)に27日、同町から感謝状が贈られた。平野公三町長が同市を訪ね、「美しい花が町民の心に安らぎを与えてくれた」と高村さん夫妻に謝意を伝えた。

 高村さんは子どもの頃、故井上ひさしさん原作のNHK人形劇「ひょっこりひょうたん島」を見るのが大好きで、そのモデルとされる島がある同町に親しみを持っていた。

 震災後、「自分にとって夢の国のような大槌に、きれいな花を咲かせることで町民を励ましたい」と決意。同町の市民団体「おおちゃん花くらぶ」(阿部智子代表)に、自ら育てたパンジーやビオラなどの苗を、市と協力し贈り続けてきた。今年4月にも約400本の苗を届け、町内の国道45号沿いの花壇に植えられた。

 この日は平野町長が市役所を訪れ、藤原淳市長の同席の下、高村さん夫妻に感謝状を贈呈。「被災地としてこれまでに多くの方々の支援を受け、頑張ってこられた。震災から10年の節目に、ご夫妻の思いやり、寄り添いに深くお礼を申し上げる」と述べた。

 さらに、「きれいな花や優しい言葉が、傷ついた町民の心を癒やしてくれた。今後も人とのつながりを大切に、まちづくりを頑張りたい」と強調。復興支援で同町に職員を派遣した市にも謝意を伝え、「今後も互いに助け合いたい」と交流の広がりに期待した。

 高村さんは「町長とお会いでき、感激している。来年もいい苗を育ててプレゼントしたい」、民子さんは「大槌を毎年訪れるたびに、復興が進む街並みを見られてうれしく感じる」と笑顔で話した。

 
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