Free熊谷議長の議長辞職、再度認めず/野辺地町議会 異例の事態続く

熊谷晴雄議長の議長職の辞職を巡り起立採決を行った野辺地町議会臨時会=13日
熊谷晴雄議長の議長職の辞職を巡り起立採決を行った野辺地町議会臨時会=13日

野辺地町議会は13日の臨時会で、熊谷晴雄議長が議長を辞職するのを認めないことを決めた。不許可は2度目。町議会では現在、野村秀雄町政に対する与野党勢力が拮抗(きっこう)しており、野党側から選出された熊谷氏が辞職すれば形勢が変化する。主導権を握りたい双方の思惑が絡み、異例の事態が続いている。

 熊谷氏は4月30日付で議長職の辞職願を提出した。議会事務局によると、特発性間質性肺炎と診断され、体調面の不安があることを理由にしているという。診断書の写しも添付した。2月にも「一身上の都合」を理由に辞職願を出したが、許可されなかった。

 13日は、与党側の杉山福行副議長が議長代理を務め、熊谷氏を除く町議10人で採決を行った。その結果、5対5の同数となり、副議長判断で許可しないことを決めた。

 杉山副議長は取材に「議長はできないが、議員活動はできるというのはおかしい。辞職の相談はなかったが(議長は)できると判断をした」と話した。

 一方で熊谷氏は「辞めさせてくれないのは受け止めるしかないが、議長職は激務だ」と語り、3度目の辞職願を提出する方針を示した。

 今回も不許可となったことについて、野党側は「病気で本人が辞めたいのに辞めさせないのはおかしい」と反発し、与党側は「議長職だけの辞職は道理に合わない」と強調する。

 与野党の主張は平行線をたどっており、落としどころも見つからない状況で、町の関係者は「辞職のことだけならいいが、どうしても(与野党で対立する)新庁舎建設問題などが透ける」と指摘し、双方の対応が町政運営にも悪影響を及ぼす可能性を懸念した。

 
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