Free秘伝の酒「國光 正宗」を再現 二戸の酒蔵で初仕込み

古来の酒造りの手法で木おけに仕込む蔵人
古来の酒造りの手法で木おけに仕込む蔵人

洋野町大野の「西大野商店」が江戸後期から昭和初期まで醸造・販売したとされる日本酒「國光(こっこう) 正宗」を当時の酒造りの技法により再現する「南部藩・復刻酒プロジェクト」で、製造を担う二戸市の「南部美人」(久慈浩介社長)は7日、本社の酒蔵で初めての仕込みを行った。5、6月ごろに商品化し、両社で共同販売する。

 西大野商店には、180年近く使われてきた大きな蔵がある。同社の関係者の布施かおりさんが、蔵の保存の在り方や古来の酒造りを復活させる方法を模索していたところ、当時の“秘伝のレシピ”を記した史料を社内で発見。プロジェクトを立ち上げた。

 活動1年目の昨年は、メンバーの一人である、十和田市の農家小林茂好さんの水田で、原料の酒米作りを行った。明治期に誕生した品種「亀の尾」を自然栽培で育て、今回の仕込みでは精米した約400キロを使用した。

 この日は南部美人の蔵人が蒸した酒米を冷ました後、昔ながらの木おけに入れて仕込んだ。原料の酒米や水、こうじの配合法は史料の記述に沿ったもので、久慈社長は「現代に比べると水の割合が少ない。腐敗を防ぐ工夫ではないか」と分析した。

 仕込みの様子を見学した布施さんは、「メンバーの協力のおかげで、私の夢が形になってきた」と感慨深げ。「商品化によって西大野商店の歴史ある蔵が注目され、地域でも保存に向けた機運が高まればうれしい」と話した。今後は原料を当時の物により近づけるため、小林さんが江戸時代に作られていたコメの品種「豊後(ぶんご)」の栽培にも取り組む計画だという。

 仕込んだ酒は720ミリリットル入りで約800本製造し、「國光 正宗」の商品名で売り出す予定。久慈社長は「江戸時代の造り方を再現するというお話を布施さんから頂き、ロマンを感じた。現代の酒とは違う個性的な味になるだろう」と仕上がりを楽しみにしていた。

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