Free【月刊Dash】頼れるベテラン守護神/ブレイズGK橋本三千雄

全日本選手権準決勝で好セーブを連発したGK橋本三千雄(中央)=2020年12月12日、テクノルアイスパーク八戸
全日本選手権準決勝で好セーブを連発したGK橋本三千雄(中央)=2020年12月12日、テクノルアイスパーク八戸

通算でブレイズ在籍10季目となるチーム最年長のGK橋本三千雄(43)。昨年12月の全日本選手権準決勝は重圧のかかる地元での大舞台だったが、強豪王子イーグルスを相手に神懸かったセーブを連発し、勝利の原動力となった。リーグ戦では出場機会が減っているが、勝負懸かった試合では頼りになるプレーヤーだ。「他のGK2人(古川駿、畑享和)が成長できるよう考えながら、いつ試合に出てもいいように準備している」とクールに話す。

 (月刊Dash1月号から記事をセレクトしてお届けします)

 監督、主将が変わった今季のリーグ戦は、新型コロナウイルス禍により韓国勢などが参加せず、国内5チームで行われている。昨年12月までの前半戦を終えて6勝8敗、5チーム中4位という成績については「思うように勝ち点は取れていない」と不満げ。「外国籍選手もおらず、他チームより選手数が少ない中、2連戦の2試合目の戦い方などは簡単ではない」と冷静に分析する。

 そんな中でも、昨季に比べて得点力が向上したチームについて「若林クリス前監督が築いた下地があって、選手に“考える”ことを促す大久保智仁監督になって、選手個々に責任感が出てきた」と、現状を見渡している。

 大久保監督は1歳上の先輩に当たり、20歳以下の日本代表でチームメートとして戦った過去もある仲。「監督となってからは一線を引いている」としつつ、「コーチ不在の中でチームを1人でマネジメントする負担は大きい。チームのために選手同士が積極的にコミュニケーションを取れる環境づくりに努めている」。

 新型コロナによる、思わぬ影響もあった。昨年12月、首都圏を避けて八戸市で2012年以来8年ぶりに全日本選手権が開催された。地元での大一番だけに、「絶対に勝つ―と、チームのモチベーションも高まった」。

 初戦となった準決勝の相手はリーグ首位の難敵王子イーグルス。地元ファンの見守る中で、起用されたベテランGKが魅せた。相手のシュートを何度も神懸かったように好セーブし、そのたびに会場がどよめいた。劇的な白星で決勝進出に貢献した試合に、「会場の盛り上がりを感じていた。もう何度も地元でこんな雰囲気は味わえないだろうから、うれしかった」。

 全日本選手権を終えると、衝撃的なニュースが飛び込んできた。昨季まで主将としてチームをけん引し、3度の優勝に貢献した田中豪が引退を表明。「年下だが、小学生の頃から知っている選手が自分より先に引退するなんて。寂しさでいっぱいだ」と複雑な表情を浮かべた。

 田中豪の引退まで試合も残り少なく、チームのモチベーションは上がっている。全日本選手権の健闘も踏まえ「あれだけみんなシュートブロックをできれば、失点は少なくなる。王子に勝ち切った経験は後半戦に生きてくるはずだ」。個人的にも、「練習でも試合でも、発言、行動でチームの役に立ちたい」とベテランの役割を果たしていく覚悟だ。

 はしもと・みちお 1977年4月生まれ。八戸市立湊中―工大一高卒。2009年にブレイズ加入。15年にチャイナドラゴンに移籍したが、17年にブレイズに復帰した。