Free青森県内インフルエンザ患者、6週連続ゼロ/コロナ予防が有効

新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、青森県内でインフルエンザの感染患者が激減している。感染報告は11月9日から12月20日まで6週間連続でゼロを記録。感染性胃腸炎の原因となるノロウイルスも例年より少ない。県民の間で手洗いやマスク着用といった新型コロナの予防対策が徹底されたことで、いつもは12月に流行期に入る感染症に歯止めが掛かっているようだ。

 県は、県内65医療機関からの報告に基づき、インフルエンザ発生状況をまとめている。それによると、患者数は、2019年の年間報告数が2万2634人だったのに対し、20年は1月から12月20日までで、5301人と異例の少なさ。

 昨シーズンの流行が落ち着いた今年5月25~31日(第22週)以降はゼロが続き、第27週(6月29日から7月5日)、第44週(10月26日から11月1日)、第45週(11月2~8日)にそれぞれ1人が確認されたのみ。

 過去5年で最も少ないのは15年の1万4858人で、20年は通年でその3分の1程度に収まる見込みだ。

 呼吸器症状が出るRSウイルス感染症(県内42医療機関から報告)も同様の傾向で、19年は1073人だったのに対し、20年は12月20日時点で190人となっている。過去5年間の最少は18年の932人。

 感染減少の要因として予防行動の徹底のほかに、ウイルス同士が干渉し合い感染を抑える「相互干渉説」がある。ただ、新型コロナと同じ飛沫(ひまつ)や接触による感染症が軒並み少ないことから、県感染症対策コーディネーターの大西基喜医師は「マスクやソーシャルディスタンスなどの予防行動の有効性が示されている」との認識を示す。

 ノロウイルスに代表される感染性胃腸炎は例年11月ごろから急増するが、今年の報告は少ない。それでも一定数は確認されている。

 新型コロナやインフルと異なり、ノロは食品などからの経口感染がほとんど。感染予防にはマスクや手洗いのほか、汚物の処理にも注意を払う必要がある。

 大西医師は「経路が異なるので流行する可能性もある。コロナなどと共に感染に注意してほしい」としている。

 
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