Freeコロナ下の百貨店、催事やフェアに工夫凝らす

9月から物産展を再開した三春屋の「おこしやす大京都展」(上)と、さくら野八戸店で開催された小規模な北海道フェア=いずれも10月下旬 
9月から物産展を再開した三春屋の「おこしやす大京都展」(上)と、さくら野八戸店で開催された小規模な北海道フェア=いずれも10月下旬 

新型コロナウイルスが百貨店業界にも影響を及ぼす中、八戸市中心街の2店舗は感染防止対策を重視した営業活動を展開している。全国的に感染が広がった3月以降、百貨店の花形である物産展は中止が続いたが、十三日町の三春屋は対策を強化した上で9月から再開。新型コロナに対応した催事の開催方法を模索してきた。一方、来年2月末まで大型物産展の中止を決めている三日町のさくら野八戸店は、既存の物産コーナーを充実させたり、小規模なフェアを企画したりして工夫を凝らしている。

 百貨店の物産展は多くの集客が見込めるイベントだが、感染拡大の余波で全国の各百貨店は中止を余儀なくされた。大型催事には不特定多数が集まり、人が密集しやすいためだ。 

 ただ、物産展の中止が響いて百貨店業界は売り上げが減少し、商品を販売する地方の事業者も販路を失って苦境に立たされた。そこで、各百貨店では出展数の見直しや試食の取りやめといった各種対策を講じた上で、夏からは物産展を再開する動きが広がっている。

 三春屋は2月28日~3月5日に開いた九州展を最後に、五つの大型催事を中止したが、9月上旬の「秋の全国うまいものまつり」から再開。その後、10月上旬の「大南部と東北の物産展」、同下旬の「おこしやす大京都展」などを催した。

 開催に当たっては感染防止対策を徹底し、出展する関係者の検温や消毒、マスク着用をはじめ、会場に送風機を置いて換気を強化。店舗の正面入り口には、来店客の体温を自動で測定する検温装置も設置した。

 原子正男・営業企画ライン長は「会場が密にならないように注意して、お客さまに安心してもらえるように取り組んでいる。旅行を控えている方々にも、物産展で観光気分を味わってもらえれば」と話す。今月26日~12月6日には、人気の北海道展を予定している。

 一方、さくら野は感染拡大防止の観点から、青森、岩手両県にある全4店舗で大型物産展の中止を決定している。八戸店では来年2月末まで開催を見送る代わりに、全国有名店の銘菓や土産品などを取りそろえた地下階の「銘店コーナー」の品ぞろえを充実させた。

 小笠原聡店長は「今年は一過性の催事として集客を図るのではなく、従来の売り場での商品力強化や定番商品の魅力向上、季節に対応した品ぞろえに取り組みたい」との考えを示す。

 正面入り口では、小規模な物産フェアも期間限定で随時開催。これまでに、北海道の人気の菓子や食品、三重県・伊勢志摩のパール(真珠)などを販売する企画を催した。野沢卓・販売促進店次長は「コロナ下でも、百貨店の楽しみ方の幅を広げられる機会にしたい」とアピールしている。