Free八戸工大大学院生が東北支部学会奨励賞 日本コンクリート工学会

表彰状と盾を手に、受賞の喜びを語る張萌さん
表彰状と盾を手に、受賞の喜びを語る張萌さん

日本コンクリート工学会東北支部学会が顕彰する本年度の学会賞で、八戸工業大大学院博士後期課程の張萌(ちょうほう)さん(中国・新疆(しんきょう)ウイグル自治区出身)が奨励賞、上北建設(十和田市)の音道薫さんが技術賞をそれぞれ受賞した。2018年に共同で行った高耐久コンクリートの研究や実装が評価された。
 上北建設は18年、国道103号青橅山バイパス(十和田市)の1号橋架橋工事に着手。十和田湖に程近く寒さの厳しい環境のため、耐寒性の高いコンクリートが必要だったが、自社製造は困難だったため、同大に協力を依頼した。
 張さんは地元の新疆大で土木工学を専攻し、冬季にはマイナス20~30℃になる地元の気候に合った耐寒性コンクリートの研究に従事。卒業後は新疆大教員を経て、博士号取得のため18年に八工大へ留学したところ、指導を受ける阿波稔教授の勧めで同社との共同研究に参画することになった。
 コンクリートは製造の際、なるべく小さい気泡を内部に含ませることで耐寒性が増す。張さんはこれまでの研究成果を基に、現場の環境に適した材料配分や、屋外でも気泡が抜けにくい製造方法をアドバイスして完成に貢献。19年7月に札幌市で開かれた同学会の総会で、現場で施工を担当した音道さんとそれぞれ論文を発表し、高い評価を受けた。
 本年度で博士課程を終えて帰国する予定の張さん。「屋内とは異なる環境での研究の応用がとても勉強になった。新疆は従来のコンクリートの劣化が激しいので、この経験を生かせたら」と意欲を見せる。阿波教授は「研究者として誠実な姿勢が印象的。今後も日中で成果を情報共有していきたい」とたたえた。