Free【八戸三社大祭】龗神社と長者山新羅神社で例祭/関係者「神事の価値を実感」

八戸三社大祭発祥の龗神社で執り行われた例祭。祭り関係者は神事の意義を再認識し、伝統を継承する決意を新たにした=2日、八戸市内丸
八戸三社大祭発祥の龗神社で執り行われた例祭。祭り関係者は神事の意義を再認識し、伝統を継承する決意を新たにした=2日、八戸市内丸

例年であれば夜間の山車運行で盛り上がる八戸のまちは、静かに、厳粛に、歴史を感じながら神様に祈る一日となった。2日は特別な夏を迎えた八戸三社大祭の「中日」。三社大祭発祥のおがみ神社と長者山新羅神社で神事の例祭が行われ、祭りの起源から300年目の今年も伝統は確かに受け継がれた。「神事の意義を実感した」「今後も歴史を紡いでいく」―。三社大祭の関係者は祭りを襲った新型コロナウイルスの早期終息を願い、決してコロナ禍に屈しなかった伝統を継承していく決意を強くする。
 三社大祭は1721(享保6)年、法霊社(現・おがみ神社)から長者山三社堂(現・長者山新羅神社)まで神輿(みこし)が渡御したのが起こり。それから3世紀の間、時代とともに変遷しながらも、世代を超えて地域で脈々と受け継がれてきた。
 おがみ神社の例祭に出席した八戸三社大祭運営委員会の塚原隆市会長は「三社大祭は神事で始まり、神事で終わることを実感した。神事としての価値を改めて知ってもらう取り組みを進めたい」との考えを示す。
 山車の運行が見送られた中、市中心街のマチニワで特別企画を開催している「はちのへ山車振興会」。市民に祭りのムードを届けつつ、神社の附祭として神事の継承に重きを置く。
 小笠原修会長は「例祭を通して神事や祭礼の大切さを再確認し、身の引き締まる思い。今年も伝統が継承された意義を受け止めながら、来年は次の100年に向けた第一歩を踏み出したい」と意欲を新たにする。
 例年は神社行列に花を添える郷土芸能の関係者も思いは同じだ。おがみ神社法霊神楽保存会の松本徹会長は「新型コロナで行列がなくなったのは寂しいが、神事は執り行われた。われわれの役目として、権現様の歯打ちにコロナをはらう気持ちを込めたい」と話す。
 重地大神楽連中の三代川由隆代表は「悔しい思いもあったが、神事に参加して改めて歴史の重みを感じることができた。これからも祭りが長く続くよう、大神楽の継承にも力を入れていきたい」と前を向く。
 一方、コロナ禍がなければ、本来は中日に伝統武芸の「加賀美流騎馬打毬(だきゅう)」が行われるはずだった長者山新羅神社。例祭には関係者のほか、附祭の山車組9組の代表らが集結し、合同で「木遣(きや)り音頭」を上げた。 六日町附祭若者連の責任者で、山車振興会の田端隆志副会長は「山車組として何もやらないという選択は考えられなかった。神社のお供として、せめてもの礼儀と意地を示せたと思う」と安堵(あんど)の表情を見せた。