Freeフリマ、カフェ、試食会模索…人がつながる場に 五戸倉石「ふるさとの家」

屋内のいろりを囲み、今後の活動などを話し合う佐藤美穂子さん(右から2人目)ら保存会のメンバー=4月下旬、五戸町倉石又重
屋内のいろりを囲み、今後の活動などを話し合う佐藤美穂子さん(右から2人目)ら保存会のメンバー=4月下旬、五戸町倉石又重

江戸後期の農家住宅を復元した五戸町倉石地区の「ふるさとの家」(旧大久保家住宅)を地域資源として活用しようと、町内外の有志による保存会が今年、発足した。現在は新型コロナウイルスの影響で活動の制限を余儀なくされているが、フリーマーケットやカフェ、特産品の試食会などの開催を模索。メンバーたちは「昔の生活を伝えるだけでなく、地域の人たちがつながる場所としても生かしていきたい」と“コロナ後”を見据え、多様なアイデアを描いている。
 旧大久保家住宅は、1820年ごろに同町倉石中市に建てられ、1995年に旧倉石村教委が倉石又重に移築。建物内には馬の模型や窯、機織り機などがあり、当時の人々の暮らしを現代に伝える貴重な文化財だ。
 保存会は、5年前に大阪から倉石地区に移住した佐藤美穂子さん(37)や、以前からふるさとの家の活用に取り組んできたNPO法人プラットフォームあおもりの風間一恵さん(38)=八戸市在住=らが設立。適切な管理を行い、町が誇る財産を後世まで残していきたい―との思いが原動力だ。
 現在は、大久保家の子孫で移築前の住宅で暮らしていた佐々木明美さん(旧姓大久保、63)=同市=らも加わり、計7人が会に参加。コロナウイルスの感染拡大により、イベントの実施は見合わせているが、飲食店などが出店するフリーマーケットやカフェの開催、町内で生産されているツクネイモ(丸イモ)の試食会などを計画している。
 観光客や移住者向けの情報発信拠点として活用する案も温めており、新型コロナ収束後には活動を本格化させる考えだ。
 このほか、維持管理費を賄うため、保存会に賛同する「サポーター」の募集やフェイスブックを活用したイベント告知なども予定している。
 「これほどすてきな建物が使われずに朽ちていくのは寂しい。さまざまな世代の人が集まり、生のコミュニケーションが生まれる場にしたい」と佐藤さん。地域で大切に守られてきた古民家に新たな息吹をもたらす日を心待ちにしている。