Free高校生のバス定期券、全額補助へ 東通村、子育て支援拡充
東通村は25日、村独自の子育て支援策として、村外の高校にバス通学する生徒の定期券代を、新年度から全額補助する方針を示した。これまでは半額を助成していたが、村によると、全額は県内初の取り組みという。保護者の自家用車による送迎など、バスを利用しない生徒に支給する就学奨励費も月額5千円から1万円に拡充する。
同日開かれた村議会議員全員協議会で、村が2020年度一般会計当初予算案の概要を明らかにした。
村内に高校がなく、最もバス定期券代がかかるケースとして、白糠地区からむつ市の青森県立大湊高に通う場合、学生割引の往復定期券で月額6万300円を要するなど、保護者の大きな負担となっていた。就学奨励費は、送迎にかかるガソリン代を保護者アンケートから算出した。
当初予算案には、定期券補助として101人分・4366万円、就学奨励費に55人分・624万円をそれぞれ盛り込んだ。
また、幼保連携型認定こども園「こども園ひがしどおり」に入園する0~2歳時の保育料も村が独自に全額負担する。
昨年10月にスタートした国の幼保無償化は3~5歳が対象で、0~2歳は住民税非課税世帯の条件付きだった。これまで村は就園奨励費として一部を助成していたが、新年度から完全無償化する。当初予算案には56人分・807万円を計上した。
今回の支援拡充で、高校卒業までにかかる保護者の教育費の負担はほぼなくなるといい、越善靖夫村長は「財政は厳しいが、子育てしやすい環境を作っていきたい」と語った。
当初予算案は、28日に開会する村議会定例会に提案する。