Freeひな誕生“アツアツ”で心待ち ウミネコの産卵始まる/八戸・蕪島

卵の番を交代するつがいの親鳥。左の1羽の左足付近に卵が見える=14日午前9時15分ごろ、八戸市鮫町の蕪島
ウミネコの繁殖地として国の天然記念物に指定されている八戸市鮫町の蕪島に、産卵シーズンが到来した。14日は小雨と寒風が吹き付ける中、つがいの親鳥が時折交代しながら、わが子との対面を待ち望むかのようにじっと卵を温めていた。
今年の初確認は13日。午前中に観察に訪れていた八戸工大二高の生徒らが蕪嶋神社境内の西側にある通路脇で、親鳥の足元にある卵を発見した。
ウミネコが蕪島で産卵を始めるのは例年20日前後で、今年は温暖だった昨年より2日遅かった。産卵時期は地面の温度に関係しているとされ、5月初旬にピークを迎える見通し。卵は約1カ月でふ化する。
親鳥が育てなくなる恐れがあるため、卵に触ったり、巣を動かしたりするのは厳禁。ウミネコ保護監視員の山内亮(あきら)さん(72)は「近づき過ぎず、静かに見守ってほしい」と呼びかけた。