Free岩手県の偉人、動画やポスターに 二戸出身・田中舘愛橘も主役

二戸市出身の物理学者田中舘愛橘に焦点を当てた県のPRポスター
二戸市出身の物理学者田中舘愛橘に焦点を当てた県のPRポスター

岩手県が県出身の偉人に光りを当て、県の魅力をPRしている。二戸市出身の物理学者、田中舘愛橘(1856~1952年)や盛岡市出身の第19代内閣総理大臣、原敬(1856~1921年)を主人公に、ドラマ仕立ての動画とポスターを制作。同県出身の偉人の功績が現代を形成しているだけでなく、郷土の文化や自然が偉人に与えた影響を発信することで、岩手のより深い魅力を県内外に知ってもらいたい考えだ。
 動画は、架空の組織「偉人局」を県出身の先人が訪ね、アシスタントと共に現代の岩手を巡るファンタジー。2018年に第1弾で原、昨年12月に第2弾として田中舘を発表した。
 いずれも陸前高田市出身の俳優村上弘明さん(63)が主演、同県出身の女優がアシスタントを務め、奥州市出身の映画監督及川拓郎さんが脚本と撮影を担当。まさに“オール岩手”で制作している。
 今回は、重力や度量衡、航空工学など、日本の物理学の基礎を築いたとされる田中舘の功績を紹介しながら、盛岡市を探訪。
 その後、2人は二戸市中心部を一望できる一戸町の千本桜展望地に移動する。16歳で上京した田中舘に対し、「東京での思い出の方が多いのでは」と尋ねるアシスタントに、田中舘は「ここにはおらの全てがある。この自然がおらの原点なのよ」と回顧し、郷土料理の串餅を食べながら涙するシーンが描かれている。
 ポスターは、田中舘が設置場所を選んだ奥州市の国立天文台水沢VLBI観測所で撮影。「田中舘愛橘、いわてから宇宙へ。」とのキャッチコピーと共に、同観測所を含む国際チームが史上初めてブラックホールの撮影に成功した偉業を紹介している。
 達増拓也知事は「田中舘愛橘という名前を初めて見る人も多いはず。名前をつかみとして、岩手県の魅力や意外な先進性をPRしたい」と強調。食や文化、観光名所だけでなく、歴史的な視点から見た岩手の存在感を伝えたいとしている。
 動画は、動画投稿サイト「ユーチューブ」内の県公式チャンネルなどで公開。ポスターは県内道の駅の他、今月中旬まで都営地下鉄車内などに掲示している。