Free「心に響く音楽、これからも」androp・内澤さん デビュー10周年、古里・八戸でのライブ心待ち

人気ロックバンド「androp」でボーカルを務める八戸市出身の内澤崇仁さん(所属事務所提供)
人気ロックバンド「androp」でボーカルを務める八戸市出身の内澤崇仁さん(所属事務所提供)

毎年全国ツアーを敢行し、大型ロックフェスティバルにも多数出演する人気ロックバンド「androp(アンドロップ)」。その熱狂の渦の中心に立つのが、八戸市出身で全楽曲の作詞作曲を担うボーカルの内澤崇仁(たかひと)さんだ。自ら創り出した世界観と美しく力強い歌声で、多くのファンを引きつけてやまない。CDデビューから今年で10周年を迎え、現在は他アーティストへの楽曲提供や映画音楽のプロデュースなども手掛け、活動も多方面に広がる。内澤さんは「これからも心に響く音楽を届けていきたい」と決意をにじませる。
 小学5年生のある雨の日、友人と「秘密基地」と呼んでいた近所の遊び場で、1本のギターを見つけた。弦に触れると、今まで聞いたことのない音色が鳴り響いた。一瞬でとりこになった。
 すぐさま市内の楽器店へ行ったが、子どものこづかいでは到底無理な金額。3年後、両親に頼み込んでギターを手に入れた。ただ、誰に披露するでもなく黙々と弾き鳴らすだけだった。
 高校に入学し、念願だった音楽仲間も見つけ、バンドを結成した。ライブ活動にいそしみ、卒業後は上京して高みを目指したが、将来への不安などから徐々にメンバーが脱退。再び一人となった。
 音楽への道を諦めたわけではないが、出口のない状況に自分を見失っていた。いつの間にか音楽と関係のないアルバイトが生活の中心となっていた。
 そんな中、花火大会に出掛けた際、母親から大好きだった祖母が亡くなったというメールが届いた。祖母の隣でマイクを握る当時3歳の自身が写る写真も添えられて。目の前で次々と打ち上げられる花火はもはや目に入らなかった。音楽への情熱がふつふつと沸き上がるのを感じていた。
 バンドメンバーを探しながら、曲作りに打ち込む日々。そして、2008年にandropを結成。翌年、大物アーティストが多数出演するロックフェスティバル「サマーソニック」のステージに立つ快挙を果たし、CDを初めてリリースした。
 11年にメジャーデビューを果たすと、勢いは加速。数々の楽曲を作り上げ、「Hikari」は18年、俳優山崎賢人さん主演のドラマに、「Yeah!Yeah!Yeah!」は大手飲料メーカーのCMにと、さまざまな場面で起用された。映像を駆使したパフォーマンスが魅力。1万人を集める巨大な会場でのライブの成功を収めるなど、その名は一気に広まった。
 古里への思いも強くなった。デビュー当初、「音楽だけ楽しんでほしい」と、バンド名以外のプロフィルを明かしていなかった。しかし、「もっとバンドを知ってもらいたい」と考えるようになり、次第に名前や出身地を公表するようになった。
 楽曲「Home」では古里を題材に、八戸でミュージックビデオを撮影。12月14日に開催するCDデビュー10周年の記念ライブは、原点でもある同市のライブハウス「ROXX(ロックス)」で予定している。
 「今回のライブはここじゃないとだめだった。自分にとっても感動的な瞬間になるはず」と内澤さん。「ここで音楽と出会ったということを胸を張って言える日にしたい」とその時を心待ちにしている。