Freeアミガサタケ栽培で技術奨励賞 成松さん、長根商店(洋野)と共同研究

共同で栽培研究する長根繁男さん(左)と共に、技術奨励賞受賞を喜ぶ成松眞樹さん
共同で栽培研究する長根繁男さん(左)と共に、技術奨励賞受賞を喜ぶ成松眞樹さん

岩手県林業技術センター(矢巾町)上席研究員の成松眞樹さんが本年度、一般社団法人日本きのこ学会の技術奨励賞を受賞した。洋野町の長根商店(長根繁男社長)と共同で実施している、高級キノコ「アミガサタケ」の栽培研究が評価された形で、2人は「二人三脚で地道に取り組んだ成果だ」と吉報を喜んでいる。

 成松さんの研究グループは2021年から、国内初の人工栽培での商業化に向けて、同社と共同研究を開始。長根さんが所有する畑で、栽培条件を変えながら試験栽培を重ねてきた。

 成松さんらはアミガサタケの産地で、県と友好交流協力協定を結ぶ中国・雲南省の研究論文などをひもときながら、県内の自然環境に合う栽培方法を模索。今年4月には、ビニールハウス内で栽培した一部で、収穫可能な本数が大幅に増える成果を確認した。これらの実績を毎年、論文で国際専門誌などに報告しており、一連の努力が同学会に認められた。

 現在は山間部の畑で、露地の畝にマルチ(ビニール)をかぶせただけの簡易な設備での栽培にも挑戦している。成松さんは「アミガサタケは土壌で育つ菌類で、連作障害への対策も必要。調べたいことはまだまだある」と、さらなる研究の進展に意欲。長根さんは栄誉をたたえつつ、「安定した生産方法が分かれば、地元農家の所得向上につなげられる。引き続き、共に研究を続けたい」と誓った。

 
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