Free【みちのく生き物観察記】ナツアカネ
よく似たアキアカネとナツアカネ。どちらも体長4センチ前後の中型のトンボで、秋には赤く色づき、見た目ではなかなか見分けがつかないが、生息域が微妙に違う。ナツアカネは田んぼとその周辺で夏を過ごす。一方、アキアカネは羽化すると標高の高い高原へ移動し、秋になって赤く色づき田んぼに戻ってくる。
体色も同じようで区分が難しいが、その顕著な識別点の一つは産卵方法。アキアカネのペアは水を打ちながら産卵。ナツアカネは空中から田んぼに産み落とす。産卵された卵は乾燥に強く、田んぼの水が落とされる冬期間を生き延び、翌年、田んぼに水が入るとすぐにふ化。6月末ごろになると成虫になる。