Free【甲子園】光星3回戦進出 わが子の成長に涙 スタンドの父母「よくここまで」

そろいのシャツを着て、三塁側アルプスでエールを送る八学光星ナインの保護者ら=12日、甲子園球場
そろいのシャツを着て、三塁側アルプスでエールを送る八学光星ナインの保護者ら=12日、甲子園球場

2018年夏、19年春、19年夏と3季連続で甲子園の土を踏んだ八学光星ナインに、父母たちが毎試合、スタンドから勝利を信じて懸命のエールを届けている。12日の2回戦でも三塁側アルプスからは最後まで張り裂けんばかりの声援を送り続けた。全国から集まった仲間たちと切磋琢磨(せっさたくま)し、心身ともに鍛えられた息子たちは堂々としたプレーで粘り強く戦い、見事に2回戦を突破。「よくここまで育ってくれた」「光星に預けてよかった」。八戸でのわが子の成長ぶりを、涙をにじませて喜んだ。
 「息子の希望が一番。送り出してやるだけだった」と、振り返ったのは武岡龍世主将の父・克明さん(49)。徳島県出身で、関西の甲子園常連校など、多くのチームから声を掛けられていたが、息子はプロ野球巨人で活躍する光星OB・坂本勇人選手への強い憧れから八戸行きを決意。光星進学後もその能力をいかんなく発揮し、走・攻・守の3拍子そろった頼れる主将に成長した。
 2回戦では自身甲子園初本塁打を放つなど勝利に貢献したが、克明さんが強調したのは「周囲に恵まれた」こと。「考え込みやすい性格だが、最近は『俺が打たなくてもみんなが打つ』と、頼れる仲間を信じている」とチームメイトに感謝する。「光星に進んで、本当によかった」と笑顔を浮かべた。
 「いつも頼れる子だったけど、今は大人びすぎてお父さんみたい」と冗談めかして話したのは、主砲近藤遼一選手の母慶子さん(41)。奈良県から自身の出身地でもある八戸市に息子が行くとなって「縁を感じた」という。光星は全寮制のため帰省の機会は少ないが「正月しか帰れないけれど、帰ってくると、自分のことを全部こなすばかりか、ご飯までつくってくれる」と話し、「私よりもしっかりしちゃって、どうしよう」とおどけた。
 智弁学園との戦いで、9回に乱打戦に決着を付ける殊勲の一打を放った澤波大和選手は、2013年に父俊也さんを亡くした。父から教わったことをきっかけに始めた野球。母弘美さん(45)は思いのこもった強烈な一打を見届けると「よくやってくれた。お父さんが大和の頑張りを見ていてくれた」と涙を流した。
 試合後、息子から「お父さんが打たせてくれた。母さんにも恩返しができた」と連絡が来たという。
 試合後、アルプス前に整列したナインに惜しみない拍手を送った弘美さん。試合後スタンドに駆け寄り、輝く笑顔で一礼する息子たちを見てつぶやいた。「いい仲間に恵まれて、野球ができてよかったね」