Free蕪嶋神社の再建、お盆明けから最終工事に着手

社殿本体の建設がほぼ完了した蕪嶋神社。再建工事はお盆明けから最終段階に入る=9日、八戸市鮫町(立ち入り制限区域から許可を得て撮影)
社殿本体の建設がほぼ完了した蕪嶋神社。再建工事はお盆明けから最終段階に入る=9日、八戸市鮫町(立ち入り制限区域から許可を得て撮影)

2015年11月の火災で社殿を焼失した八戸市鮫町の蕪嶋神社の再建工事は、お盆明けの19日から最終段階に入る。社殿本体の建設はほぼ完了し、残るは外構や内装工事のみとなった。全体工事は今年12月に終了する見込みで、新社殿は来年3月に一般公開される予定だ。三陸復興国立公園の“北の玄関口”である蕪島に、再び神社が荘厳な姿を現すまであと4カ月―。あの日の深い悲しみを乗り越え、地域のシンボルは着々と再建が進んでいる。
 再建工事は16年11月にスタート。蕪島への立ち入りを制限しつつ、ウミネコの繁殖期間である4月~8月上旬を除いて作業に当たってきた。社殿本体の建設は順調に進んでほぼ終了しており、最終の第4期工事では外構を中心に手掛ける。
 蕪島の頂に上る参道の階段を改修し、従来の70段から97段にして緩やかにする他、階段の灯籠を取り付けし直すなどし、神社の周囲にある構造物を整備する。
 新たな社殿は松本工務店(南部町)が工事を担い、ケヤキや青森ヒバ、南部アカマツといった良質な木材を使用。吹き抜けの天井には、「鈴木彫刻工房」(八戸市)の鈴木昭則代表が制作した5体の天女像の木工彫刻が据え付けられている。屋根などには、南部氏の家紋「向鶴」を掲げた。
 総工費は約5億5千万円の見込み。再建事業には寄付金が充てられ、地元を中心に全国各地から2億数千万円が集まった。現在も引き続き善意を募っており、正参道の敷石整備に充てる寄付も受け付けている。
 蕪嶋神社再建実行委員会の福島哲男委員長は「多くの支援をいただき、工事は順調に進んでいる。立派な神社が完成し、中に入れるようになる時を楽しみにしている」と期待を寄せる。
 一方、蕪島エリアは観光スポットとしても注目が高まる。三陸沿岸を1本の自然歩道でつなぐ「みちのく潮風トレイル」が今年6月に全線開通し、蕪島はトレイルの「北の起終点」に。来年4月には市が整備する物産販売施設がオープンする。新生・蕪嶋神社との相乗効果も生まれ、一層の観光振興が図られそうだ。
 10日から最大9連休となる「お盆休み」に入り、蕪島周辺は観光客や帰省客が増え始めた。野澤俊雄宮司は「皆さんに支えられ、いよいよ再建の最終段階に入る。蕪島は市民の心のよりどころであり、神社も気さくで優しい癒やしの存在でありたい」と話した。