Free「シモジュニ」発足 学区越えて楽器楽しむ小学生の受け皿に

海上自衛隊大湊音楽隊員(右)から奏法の指導を受けるしもきたJr.ウインドオーケストラの子どもたち=7月27日、むつ市の下北文化会館
海上自衛隊大湊音楽隊員(右)から奏法の指導を受けるしもきたJr.ウインドオーケストラの子どもたち=7月27日、むつ市の下北文化会館

少子化や教員の負担軽減の一環で、吹奏楽部やブラスバンド部が廃止となったむつ市内の小学生の受け皿として6月、「しもきたJr.ウインドオーケストラ(シモジュニ)」が発足した。同市の下北文化会館が立ち上げた団体で、学区の垣根を越えて音楽を学ぶ場に。子どもたちは音楽を奏でる喜びを感じながら練習に励んでいる。
 シモジュニは小学1~6年生が対象で、現在48人が所属。ほとんどが楽器初心者で、週末を中心に週1回ペースで活動している。トランペットやクラリネットなどの楽器は廃部になった小学校から譲り受けたり、借り受けたりしたものを使用している。
 指導に当たるのは、青森県下北地区吹奏楽連盟や下北吹奏楽団、同館の指定管理者で音楽関連事業などを手掛ける東京堂(本社同市)の担当者ら。同市の海上自衛隊大湊音楽隊も協力するなど、さまざまな団体がサポートする。
 活動開始時点では楽器の名称はおろか、どんな音が出るかも分からなかった子どもたちだが、これまでの練習で音を出せるように。発足後7回目の活動となった7月27日は、特別レッスンとして同隊隊員10人が同館を訪れ、担当楽器ごとに子どもたちを指導した。
 同市には13の小学校があり、吹奏楽部やブラスバンド部があったが、近年児童数減少や指導者の外部委託などを背景に、休部や廃部の動きが目立っており、本年度、実質的に活動しているのは大平小のみとなっている。
 シモジュニでトロンボーンを担当する市立第一田名部小5年の鎌田彩綺さん(11)。入学時、学校にはブラスバンド部があったが、今は運動部系のスポーツ少年団しかないという。入学時から吹奏楽をやりたかったという鎌田さんは「ステージで演奏を発表できるよう、みんなと練習を頑張りたい」と上達を誓う。
 母綾子さん(45)は「教員が部活動を指導できなくなるのは時代の流れでしょうがない」と理解を示しつつ、「親としては子どもに好きなことをやらせてあげたかった。シモジュニの存在はありがたい」と話す。
 東京堂文化創造事業事業部の長津亜紀江部長は「地域みんなで子どもを育てる新しいコミュニティーの場にしたい。全国で同じような問題を抱えているので成功事例になれば」と強調。
 今後の展開については、同館が下北圏域の文化芸術振興を目的に建設された経緯もあることから、「移動距離の問題もあるが、むつ市以外からも吹奏楽をやりたい子どもを集められたらいい」と語った。