Free横浜町のナタネ、来年度の作付面積大幅減か

横浜町の春の風物詩・菜の花畑。ただ、来年度産のナタネの作付は落ち込む見通しだ=5月、横浜町大豆田地区
横浜町の春の風物詩・菜の花畑。ただ、来年度産のナタネの作付は落ち込む見通しだ=5月、横浜町大豆田地区

横浜町の春の風物詩・菜の花を付けるナタネの生産を巡って、2020年度産の作付面積が10日現在で約100ヘクタールにとどまり、本年度産の142ヘクタールを下回る見通しであることが、十和田おいらせ農協横浜町支店への取材で分かった。近年の国産ナタネの在庫過剰などを背景に、農家が敬遠したためとみられる。菜の花フェスティバルといったイベントへの影響は少ない見込みだが、町などは今後ナタネ農家が減少していくことに危機感を抱いている。
 町はジャガイモを主とした輪作体系に適した作物として、1950年代からナタネ栽培を奨励。寒さに強く、生育の手間がかからない作物として普及し、国内有数の産地を形成してきた。ここ数年の作付けは140~160ヘクタールで推移する。
 しかし、同支店が6月初旬から始めた来年度産の事前契約については現時点で約100ヘクタールにとどまり、例年より低調。同月末とする申し込み期限を今月末に延ばすなどの対応を取っているが、生産者からは「今回はやめた」といった声が聞こえているという。
 背景にあるのは国産ナタネの在庫過剰。海外産に比べて油の量が少なく、絞りかすを飼料に転用できないなどの理由で需要が低い。町内では本年度、国の指示で菜の花のまま畑にすき込む生産調整も行われた。
 買い取り価格も低迷している。ナタネは国の経営所得安定対策として収量60キロ当たり9920円の交付金が支払われるが、農家からは「もうけにならない」とのぼやきも。交付金が本年度、見直しの時期にあることもあり、見切りを付ける生産者も出ているようだ。
 同支店の担当者は「経営を考えると、今の状態でナタネをやってくださいとはいえない」と吐露する。
 町は91年から菜の花フェスティバルやマラソン大会を開催。年間観光客数の大半を占める関連イベントは町にとってなくてはならないものになっている。
 過去に100ヘクタール以下の時期もあったことから、町はイベントへの影響は少ないとみている。一方、農家の減少を懸念しており、町産業振興課は「ナタネ自体の売り上げアップを図らなければならない。品種なども含めて全体を見直す時期にある」としている。