Free空き家活用、デザインで街なかに刺激/十和田市の吉田さん夫妻

十和田市に「くとうてん」をオープンさせた(左から)吉田千枝子さんと進さん、出品しているクラフト作家の向山雄祐さん、島守宏和さん
十和田市に「くとうてん」をオープンさせた(左から)吉田千枝子さんと進さん、出品しているクラフト作家の向山雄祐さん、島守宏和さん

十和田市在住の吉田進さん(43)、千枝子さん(43)夫妻によるデザインユニット「字と図」が、同市西二番町にある築40年ほどの空き家を活用し、若手クラフト作家の作品を展示、販売する店「くとうてん」を今春オープンさせた。店内には、来訪者がいつ届くか分からない手紙を書く「時々郵便局」という試みを行うスペースも設置する。進さんは「文章の句読点のように『街なかにリズムを付けたい』との思いを店名にした」とアピール。街に突如現れた「よろずや」を拠点に、新たな“刺激”を発信する。
 2013年に東京から同市に移住した吉田さん夫妻は、街なかに多くの空き家や空き店舗がある状況に着目。市内では空き店舗を改装した交流スペース「14―54」などが有効活用されている事例を踏まえ、クラフトとデザインをテーマとした店舗の実現に向けて物件を探していた。
 そこで見つけたのが、市現代美術館近くの交差点にある木造2階建ての一軒家。レトロ感あふれる外観が特徴で、大家の好意もあり手頃な家賃で借りることができた。
 店は2階に展示販売用のギャラリー、手紙の執筆部屋、赤ちゃんのおむつ交換に使える部屋を設けた。1階はイベントができるスペースにした。 4月上旬、店先に「く十10(くとうてん)」「時々郵便局」の看板を出すと、不思議なたたずまいが通行人の目を引く格好に。じわじわと知名度が広がり、店を訪れる市民や観光客は増えつつある。
 ギャラリーに作品を置く作家は現在8人。このうち、同市の向山雄祐さん(39)はスケートボードの板を加工したこけしや扇子、八戸市の島守宏和さん(35)は津軽塗のアクセサリーや工芸品を展示する。進さんは「昔ながらの伝統工芸に、新しい要素を加えた商品が多い。良いと思ったものしか置かない」とこだわりを見せる。
 「時々郵便局」は、メールや会員制交流サイト(SNS)のやりとりが多い世の中で、あえて手紙を書いてほしい―との思いを込めた。忘れた頃に届く手紙にロマンを感じてもらいたいとの狙いだ。
 店舗は来春まで1年限定のオープンとなる。千枝子さんは「物件は1年契約で、私たちには本業もある。今回の挑戦が若い人の刺激になってほしい」と期待を寄せた。
 営業時間は午前10時~午後2時。不定休。店のインスタグラムはkutou10_crafts_design。問い合わせは「くとうてん」=携帯電話070(4296)4250=へ。