Free初の自主発表会、熱演次々 白銀四頭権現神楽/八戸

「翁舞」を舞う佐々木陽菜さん=21日、白銀公民館

260年以上の歴史を持つ八戸市白銀地区の白銀四頭権現神楽保存会(清水芳美会長)が21日、白銀公民館で、発表会を初めて自主開催した。例年7月に催される三嶋神社の例祭で披露してきたが、コロナ禍で3年間中止となり、特別に発表の場を設けた。地元での久しぶりの熱演に、約130人が詰めかけた会場は大いに沸いた。

発表会では、厳かな四頭権現舞、子どもが最初に習う三番叟(さんばそう)、ユーモラスにタイを釣り上げる浦島太郎、老人が次第に若々しくなっていく翁舞、曲芸的な盆舞と剣舞を披露。浦島太郎では、佐々木春さん(23)演じる太郎が大物の魚を釣り上げようと、まき餌代わりに、客席を回ってお菓子を配る演出で盛り上げた。

鮫神楽連中もゲスト出演して花を添えた一方、前日から延期となった運動会と重なり、小学生が三番叟に参加できない緊急事態も。代役でステージに立った八戸学院光星高2年佐々木陽菜さん(16)は「身に付いている演目なので大丈夫」ときっぱり。自身がメインの翁舞では「若々しくなっていくのが分かりやすいよう心がけた。喜ぶお客さんの表情や歓声で気持ちが乗っていけた」と笑顔を見せた。

ステージを降り、“まき餌”ならぬ“まきお菓子”で会場を盛り上げる浦島太郎役の佐々木春さん

神楽好きで、大久喜地区から足を運んだ沼沢ユリさん(77)は「しばらく見られなかったので楽しみだった。どの演目も素晴らしかった」と満足げだった。

清水会長は「地元の人たちの反応が想像以上で良かった。機会があればまたやりたい」と話した。

 
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