Free大江健三郎さん死去 88歳、ノーベル文学賞作家

 ノーベル文学賞の授賞式を終え、メダルと賞状を見せる大江健三郎さん=1994年12月、ストックホルム(共同)
 ノーベル文学賞の授賞式を終え、メダルと賞状を見せる大江健三郎さん=1994年12月、ストックホルム(共同)

戦後日本を代表する文学者で、平和、護憲の言論活動でも知られるノーベル文学賞作家の大江健三郎(おおえ・けんざぶろう)さんが、3日未明、老衰のため死去した。88歳。愛媛県出身。葬儀は家族葬で行った。後日お別れの会を開く予定。

 東京大仏文科在学中から作家活動を始め、1958年に「飼育」で芥川賞を受賞。早くから作家としての地歩を築き、独自の小説世界を切り開いた。

 その後、障害のある子と生きる決意をした男性を描く「個人的な体験」など自身と家族をモデルにした作品を発表。故郷の四国の森を舞台にした「万延元年のフットボール」などを発表、数々の文学賞を受け、翻訳されて海外でも注目された。

 94年に日本人として川端康成かわばたやすなりに次ぐ2人目のノーベル文学賞を受賞した。

 戦後民主主義の思想を基に平和、護憲を主張。「ヒロシマ・ノート」「沖縄ノート」を著した。東日本大震災後は脱原発を積極的に訴えた。

 
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