Free天鐘(5月18日)

ここにも出てきたか、と思っていたら、数日であっという間に蔓延(はびこ)っていた。家の敷地内に細くて濃い緑色の雑草が勢いよく伸びている。これは厄介なことになる。スギナだ。根を張られたら、容易には抜けない▼除こうとしても、途中でぶちっと切れるだけ。雑草の中でも繁殖力が旺盛で、草取り作業などではとても太刀打ちできない相手。それがスギナである。見るだけで意気消沈してくる▼「ツクシ誰の子 スギナの子」という歌もあるが、ツクシは胞子を作る茎の部分で、スギナはその栄養茎と呼ばれる部分。胞子を散らして繁殖するため、どこにでも根を張り巡らしていく▼地下茎で深くつながり増える性質から、鍬(くわ)などで土を耕して根を切っても、逆に刺激を与えて繁殖を促すという。極めて対処が難しい。春にのんびり構えていると手遅れになる▼強い生命力は見習いたいが、別の草木の中に押し入って勢力を拡大していく様は脅威である。まるで知らないうちに領土を占領されていたような気分。決して雑草としてのスギナが悪いわけではないのに、どうも人間社会と重ね、どこかの国の民族紛争を連想してしまう▼できることならスギナと対話したいもの。おいおい、種の保存が大切なのは分かるが、他の居住地まで覆うと嫌われるよ。皆が暮らしている。それに、多種類の草木も一緒に茂った方が土地も潤い豊かになるだろうに。