Free【猿楽の旅音日記】⑲「組曲 金田一温泉物語」夏の巻~青葉~

夏の終わりに、居心地の良い旅館でピアノを弾きながら曲を作った(楽曲のMVより)
夏の終わりに、居心地の良い旅館でピアノを弾きながら曲を作った(楽曲のMVより)

二戸市地域おこし協力隊の猿楽さんは、市内の風景や文化を音楽で表現する「旅音プロジェクト」を進めている。音楽家の感性で捉えた二戸の印象を、曲のイメージと共に紹介する。

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 金田一温泉郷の周辺には、特産米を栽培する水田やリンゴ園、ブルーベリー園が広がる。夏にはこうしたのどかな景色を楽しむだけではなく、温泉郷でのキャンプやヨガ、近くの馬淵川やプールでのカヤックを楽しめるのも魅力だ。

 僕もカダルテラス金田一のプールで、カヤック体験をした。インストラクターの方に教えてもらって自由に動き回るのは新鮮で、水上の面白さを満喫した。次は川下りにも挑戦したい。

 昨年の夏の終わり、温泉宿の一つ「おぼない旅館」を訪れて曲を作った。ここは移住前、初めて二戸に下見に来た時に宿泊した旅館でもある。若女将の楽しいトークと、おいしい創作料理が印象に残っていた。

 少し前に旅館内に設置されたというピアノで、僕がこれまで作った曲を弾いていると、いつの間にか宿泊客の方が座って聞いてくれていた。旅館のファンで、北海道から来たという。演奏をとても気に入っていただき、話に花が咲いた。

 素晴らしい空間で楽しいひとときを過ごし、何とも居心地の良い気持ちのままピアノを弾く中で、自然と今回の曲「夏の巻」のイメージが湧いてきた。

 二戸に引き寄せられるようにやって来たのには、何かの縁を感じている。そうした目に見えない、温かいものを感じながら作った曲。夏の始まりから終わりまで、まったりと過ごすようなイメージで作曲した。

 この旅館のように、金田一温泉郷にはレトロな雰囲気と、おしゃれさが溶け合った空間がある。夏のにおいを感じながら、リラックスして聞いてほしい曲だ。(猿楽)

 ※毎月第2、第4火曜掲載。タイトル曲などのミュージックビデオ(MV)は、猿楽さんのサイト「にのへの旅音」で順次公開する。

 
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