Free尻屋埼灯台(東通)国重文指定へ 文化審、文科相に答申

国の重要文化財に指定される尻屋埼灯台=12日、東通村
国の重要文化財に指定される尻屋埼灯台=12日、東通村

文化審議会は12日、明治期に造られ、今も現役の尻屋埼灯台(東通村)を国の重要文化財に指定するよう、永岡桂子文部科学相に答申した。近く官報に告示され、正式に指定される予定。青森県の重要文化財(建造物)は34件となる。

 尻屋埼灯台は、下北半島北東端の尻屋崎にあり、北に津軽海峡、東に太平洋を望む。英国人技師リチャード・ヘンリー・ブラントンが設計し、東北地方初の洋式灯台として1876年に建設された。高さ32・8メートルで、現役のれんが造りの灯台としては高さ日本一を誇る。霧信号が設置された最初の灯台であり、技術的にも優秀で歴史的価値が高いと評価された。

 文化審議会はこのほか、江戸時代後期を代表する寺院建築の勝興寺(富山県高岡市)の本堂・大広間を国宝に、国内初の集約電波塔として1954年に建てられた名古屋テレビ塔(名古屋市)など8件を重要文化財に指定するよう答申した。官報告示を経て、全国の国宝・重要文化財(建造物)は2557件、5373棟になる予定。

 尻屋埼灯台の指定に関し、東通村の畑中稔朗村長は「長く海上交通の難所を見守ってきた灯台が指定されるのをうれしく思う」と語り、「もっと愛着を持ってもらえるよう、村としても魅力を発信していきたい」と強調した。

 
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