Free【番外編・輸出の流れ】㊦商談相手を決める

※文末に拡大図

輸出の流れの後半を簡素化して説明する。新規販路開拓の商談相手先は、国内販路や既に参入している海外販路の横展開がなければ、青森県や市、そして東北全域で買い付けに来るバイヤーとの商談会をお勧めしたい。

 ジェトロ青森は、海外バイヤーの意向を受けて日本各地で商品を調達している国内商社との商談会を県・市・地銀などと共催で開催している。ジェトロは国内事務所での商談実績を確認しながら、関心のありそうな国内商社などに買い付けを打診し、参加してもらっている。国内商社側から明示された調達要望商品群と対象国地域販路を記載し、メルマガなどで商談を案内している。

 商談への参加を表明した県内企業は、県と共通の輸出志向商品データベースや商品シートなどを提案する。そして、バイヤー側が関心を持った企業が商談会に呼ばれる形となる。ジェトロ青森は、こうした商談を(成立しただけでも)年間150件程度行っている。

 それ以外にも、県内の貿易データをまとめた「青森県の貿易」(ジェトロ青森発刊)で回答いただいている企業のうち、取引条件をクリアできるところへの声かけや個社支援対象企業、引き合いなど個別に調達要望をつないでいる。海外での展示商談会も、現地拠点・取引先などで対応ができる場合に限り、一部リアルな商談も再開している。

 イベントなどの出展参加のほか、ジェトロのデジタルプラットフォームである「ジャパンストリートジェトロ招待バイヤー専用オンラインカタログサイト(Japan Street事業)」(https://www.jetro.go.jp/services/japan_street.html)へ登録し、バイヤーが閲覧するカタログへの掲載のほか、他のECサイトとの連携も進めている。「海外EC販売プロジェクト(JAPAN MALL事業)」(https://www.jetro.go.jp/services/japan_mall/)への登録により、新たな販路を持つ商談相手と出会うことができる。

 データベースを活用すると、商談のための商品シートはその後も使用でき、更新があっても修正する程度で済むので、効率が良い。商談前の見積もりは、貿易実務などで説明されている価格表の作り方やコスト計算の仕方を参照して割り出す。貨物の引き渡し場所により、輸出者の輸送費や保険料などのコスト負担が変わってくるので注意してほしい。

 「インコタームズ」では、その条件を規定している。EXW(工場渡し)、FOB(日本側の港渡し)、CIF(相手国側の港渡し)などの合意された条件で、見積もる。

 港渡しFOB価格=原価+(規制クリア)検査証明書等取得費用+粗利益+梱包(こんぽう)費用+国内輸送費用。これに加えて、相手国側の港渡しCIFの場合は輸出先の港までの輸送費と保険代も加算する。

 出荷する際の船積書類は、通関用の送り状(Invoice)、梱包明細書(Packing List)、船会社が輸出差の貨物を受け取った際に発行する荷送り人と船会社の備品運送契約証明書類「船荷証券(B/L)」だ。また輸出できない場合や、代金が回収できない事態に備えて貿易保険などの保険も契約締結する。

 決済方法では、初めて取引する相手など取引初期では、通常輸出入双方の金融機関を通じた信用状(L/C)を使う。船積書類を銀行に渡せば、輸入者ではなく銀行から代金を回収できる仕組みだ。信頼関係ができれば、通常の海外送金や振り込みとなる流れだ。

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