Free政策公約の柱、本格始動 八戸市長の「子どもファースト事業」

熊谷雄一市長の政策公約「子どもファースト事業」の進捗管理を担う「八戸市子ども・子育て会議」=7月、同市
熊谷雄一市長の政策公約「子どもファースト事業」の進捗管理を担う「八戸市子ども・子育て会議」=7月、同市

八戸市の熊谷雄一市長が政策公約に掲げた「子どもファースト事業」が本格始動した。「子育て支援」と「教育」の二つを軸に、本年度は既存施策に新規を加えた15事業を展開する。一方、若い世代を対象にしたアンケートでは、地元定着の促進へ重要な施策は「子育て環境の充実」という実態も浮かび上がる。少子化の加速と若年層の流出に悩む青森県。学校給食費や子ども医療費の完全無償化に乗り出す自治体も増えている。八戸市は支援事業のインパクトが弱い―との指摘もある中、限りある財源で、いかにして子育て世代の満足度を高められるか―。

 「地域を担う子どもたちに最善の未来を用意する」。熊谷市長は公約の柱に据えた子どもファーストをこう説明する。市民の注目度は高く、市議会でも事業内容をただす質問が相次ぐ。

 子どもファースト事業の進捗管理は、既存組織の「市子ども・子育て会議」が担う。関係団体の代表や子どもの保護者ら18人が委員を務め、その意見を事業の見直しに反映させる。

 市こども未来課によると、本年度の事業には▽子ども医療費助成▽幼稚園・保育所などと小学校の連携推進▽小中学校の改修や冷房設備設置―といった従来の施策のほか、「こどもの国」で計画する大型複合遊具整備などが組み込まれた。

 公約関連では、8月に運用を開始した子育て支援アプリ「はちも」の普及も推進。市は内部の情報共有を図るため、福祉部、健康部、市教委の関係各課を中心に庁内連絡会議を開く。

 一方、子育て世代は市に支援の充実を訴える。市内在住の18~39歳を対象としたアンケートでは、若者の地元定着促進へ市が注力すべき施策として、「子育て環境の充実」を選んだ人が最多。子育てに関して「世帯への経済的支援」の充実を求める回答も多かった。

 全国の自治体が独自の子育て支援策を打ち出す中、県内でも施策を拡充するケースが目立つ。青森市は10月から、市立小中学校の給食費無償化に乗り出す。年間予算額は約10億円の見込み。小中学校の両方で、継続的に無償化を目指す中核市は全国初という。弘前市とむつ市は来年度から、18歳までの子ども医療費を完全無償化する方針だ。

 都市の規模が近い青森、弘前両市と比較される機会が多い八戸市。市が立ち上げた「まちの魅力創生ネットワーク会議」が取りまとめた政策提言には、子育ての「インパクトがある経済支援」が盛り込まれた。

 市は支援に取り組んでいる―とした半面、子育て世代の実感として「支援を受けている感じが薄いのが実情」と指摘。すれ違いが起きる原因を「現状の支援内容にインパクトが足りないため、認知が上がっていないのでは」と分析した。

 子どもファースト事業の展望について、熊谷市長は取材に「新規に加え、従来の施策も磨き上げを図る」と強調。「子育て支援を分かりやすく提示することも重要。支援策はトータルで考え、子どもたちが最善の未来を歩めるよう進めたい」と語った。

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