Free②「商品選定」 少量、高値が理想的

ベトナムのデパートで商品をPRする青森県南の企業。現地で売れる商品選びは重要だ=2020年
ベトナムのデパートで商品をPRする青森県南の企業。現地で売れる商品選びは重要だ=2020年

輸出できる物をどう選んでいくか。まずは該当品が受け入れられる土壌があるか、特に輸出可能性のある海外市場での規制、競合品の価格帯などを調べる。そして輸出先の消費者がコストなどを含めて製品をどう見るのか。海外渡航が容易だった新型コロナウイルス流行前なら、輸出先が絞れた時点で実際に現地市場を見て回り、肌で感じるのが一般的だった。

 輸出品のコストは、関税や輸送費のほか、手数料などがかかる。製品に合った温度帯の定期便を持つ物流ルートや輸出量とのバランスで製品の単価が決まってくる。一部を除いて船便が大勢を占めるが、日本国内の地方産地からは、都心部主要港湾への陸送分の物流コストもかかる。市場の差別化ができていれば、産地の事情を踏まえて、少量高額で出したいところだ。

 ただ、スケールメリットを生かすほどに単価は下がり、市場での競争力は上がる。昨今のコスト上昇を踏まえて、いくらで提供できるのかは、棚に置いてもらえる期間や消費者の固定層をどれだけ獲得できるのか、そして輸出量にかかってくる。

 視察の際には、とかく競合商品の品ぞろえやその価格に目が行きがちだが、自社で活用し得る販売網までの物流・保管状況をよく見ておく必要がある。保冷輸送をしていても積み荷を替える際に暑いところに保管されれば意味がなくなる。

 市場視察では、量販店や小売店で現地での生活感を体験すると、円安を勘案しても、現地の方が割安感のある商品群があるのに気付く。その商品群は日本から輸出しても価格競争力で打ち勝つのが難しい。

 輸出できそうな商品群例としては、インバウンド客(訪日客)に喜ばれる分野をイメージしてもらえると早いだろう。概して和食や食材などの食一般・菓子類、文具、洗面具、衛生用品、子ども向け商品、家電の一部、アニメ関連商品などだ。

 輸出から少し脱線するが、2015年まで断続的に約10年、米国に居住した経験からすれば、米国の日用品は日本より全般的に2~3割安、ガソリンは半分程度の印象だった。サービスも含めた生活費に関わる細かいところでは、概して医療費を含めた保険や都心部の家賃、車やその維持費(ガソリン以外)は日本より高い。

 日本では医療費の窓口負担が3割なのに対して、米国では1千~5千ドルの実費負担。民主党政権下のオバマケアで助成金が出たものの、共和党政権で例えばトランプ大統領が返り咲いたりすると変わる可能性もある。米国ではケーキアイス類、花、映画、ジムなど趣味嗜好(しこう)品に近いモノやサービスは全般的に安く、休日に楽しめる。

 輸送コストのほか、現地での現在の公共料金(電気水道ガス)、ガソリン、税金、労賃、地価・賃料、教育費などは、例年3月にジェトロが世界のコスト比較として発表している(「ジェトロ コスト比較」で検索)。ぜひ参考にしてほしい。

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