Free二戸・浄法寺中生に漆の魅力紹介 研究員のティーレンさん

浄法寺漆の価値について中学生に説明するジョエル・ティーレンさん(左)
浄法寺漆の価値について中学生に説明するジョエル・ティーレンさん(左)

二戸市立浄法寺中(吉田智校長)で11日、1年生23人を対象に、浄法寺漆について学ぶ授業が行われた。米国カリフォルニア大バークレー校大学院博士課程に在籍し、昨年11月から市内で漆文化の研究に取り組むジョエル・ティーレンさん(33)が講師を務め、漆の価値や魅力を語った。

 ティーレンさんは岩手県立大総合政策学部の研究員として、同市に今年11月まで1年間滞在。安比川流域の漆の歴史を、美術史や生態学の側面から研究している。

 授業では、京都・金閣寺の昭和の大修復に、約1・5トンの浄法寺漆が使われたことを紹介。金箔(きんぱく)を建物に貼る際の接着剤の役割として、海外産の漆よりも粘着力が強いことから、採用されたと説明した。

 他にも国内のさまざまな文化遺産の保存に浄法寺漆が活用された事例を示し、「文化遺産を守る上で、皆さんの周りにある漆林の生態系や、漆搔(か)きの技術はとても大事なものだ」と強調した。 

1年の鈴木優希さんは、「浄法寺漆の良さは海外にも伝わっていて、米国から研究者が来ているのはすごいと思った」と話した。

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