Free三沢市中心街の県道一方通行解除へ 利便性向上で活性化期待 交通事故、渋滞の懸念も

23日に一方通行の規制が解除される県道三沢十和田線。注意を促すのぼりが掲げられている=15日、三沢市

三沢市中心商店街を通る県道三沢十和田線の一方通行規制が23日、約半世紀ぶりに解除される。長年にわたり対面通行の実現を求めてきた市商工会や地元の商業者は、利便性と回遊性の向上による地域経済の回復に期待を寄せる。一方、交通事故や渋滞の発生も懸念され、解除に向けドライバーへの注意喚起が必要となる。

 現在、一方通行区間は大町交差点から三沢基地正門ゲート前までの約900メートル。2車線の道路は1974年から、午前6時から午後10時まで規制されている。

 だが、近年は規制を避ける車両が近くの狭い市道に集中。交通事故や渋滞の発生などが心配されるため、市と市商工会は2005年から三沢警察署に解除を要請していた。

 かつては買い物客でにぎわうメインストリートだった。大町、銀座両商店会は「シャッター通り」とやゆされ、大通り、中央両商店会はアメリカ村整備によって道路が拡幅されるなど街並みが一新されたが、往時の活気には程遠い状況だ。

一方通行規制が解除される区間
 規制解除で基地からの帰宅者が商店街を通行できるようになり、商業者は来街者の増加を見込む。

 市商工会の古間木勝弘会長は「相互交通となり、コンビニや住宅が建設しやすくなる可能性はある。すぐに状況が良くなるとは言い切れないが、経済回復の一つの契機にしたい」と前向きに語る。

 規制の開始地点である大町交差点近くで洋食店を営む大宮愼一さん(68)は「対面通行になったからといって、売り上げがどうなるかは実際に解除されないと分からない」と冷静だ。

 大宮さんによると、三沢基地方面からの来店客からは「回り道が面倒だ」との声が聞こえていた。「規制が解除されることで大回りしなくてもよくなり、いくらかは来店しやすくなる。お店を訪れる人が増えればうれしい」と期待感をにじませた。

 一方、ドライバーの混乱を不安視する声もある。大町商店街ではんこ店を営む附田義光さん(70)は「今も逆走する車をよく見る。市や警察は周知してほしい」と注文を付ける。

 同署は「規制解除時は警察官の誘導を行うなど事故や渋滞の抑止していく」と強調。関係機関と連携し、規制解除の周知や交通事故防止の注意喚起に努める方針だ。

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